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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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塾におけるEdTechツール活用事例

学ぶ習慣を身につけ「なりたい自分になる」ため、塾は何ができるか――デジタル教材と、子どもたちに寄り添う指導で自立型学習を実践


 学びの形が変わり、教育者の役割もティーチングからコーチングへ変わりつつある。学習塾も例外ではない。東京・平井にある「C.school」を運営する風間亮氏、関屋雄真氏のお2人に話を聞いた。

学びの形が変わる時代、教育者に求められる役割とは?

 学習塾では人手不足の問題もあって、事業的側面からも少人数でより効果的な学びを提供することが必要となりつつある。そうした中、個別指導教材やデータなどを活用し、講師が子どもたちの学習サポートを行う塾が注目されている。東京・平井にある「C.school」もそのひとつだ。「なりたい自分に出会える塾」をコンセプトに掲げ、一人ひとりに寄り添う指導で、開塾1年目にもかかわらず多くの児童生徒と保護者の信頼を獲得してきた。学びに対する考え方や教材の活用法、講師の動き方に至るまでを伺った。

「なりたい自分」を意識し、「学ぶことの意味」を実感しながら学ぶ

――まず、塾を立ち上げたきっかけをお聞かせいただけますか。

風間氏(以下敬称略):もともと2人とも新卒でNTTコミュニケーションズに入社した同期なんです。その後、それぞれさまざまな経験をして、2019年5月に私がまず「C.school」を立ち上げ、関屋が10月に正式に合流して現在に至ります。私も関屋も最初から塾を開こうと思っていたわけではなく、仕事を通じて新しい教育の在り方について興味を持ち、その中で最適な形態と思われる塾というスタイルで立ち上げました。

 まず私自身は、NTTコミュニケーションズに2年間在籍し、その後NPO法人であるTeach For Japanの派遣プログラムに参加して福岡県田川郡で中学校の教員を2年間務めました。そこではさまざまな授業を経験させてもらい、同時に既存の学校での課題も実感するようになり、新しい時代の学校をつくりたいと考えるようになりました。その知識や経験づくりのために民間で成功している経営大学院へ入社し、1年後にC.schoolを立ち上げたのです。

株式会社Bee 代表取締役 C.school 塾長 風間亮氏
株式会社Bee 代表取締役 C.school 塾長 風間亮氏

関屋氏(以下敬称略):その間、私はずっとNTTコミュニケーションズにいて、最初の3年間は仙台で教育委員会への営業を、その後2年半は「まなびポケット」という教育ソリューションの営業を担当していました。実は風間が教員をしていた学校へ、導入事例の取材に行ったこともあるんです(笑)。入社時から仲が良く、お互い教育に興味を持っていたので、自然と2018年の秋くらいから塾についても話すようになりました。そこで設立と同時に、私もNTTコミュニケーションズに所属しつつダブルワークで参加し、2019年10月に正式に合流しました。

株式会社Bee 取締役 C.school 副塾長 関屋雄真氏
株式会社Bee 取締役 C.school 副塾長 関屋雄真氏

――「なりたい自分に出会える塾」という現在のC.schoolのコンセプト、そしてその実現において「講師が教壇に立たない自立型学習を主とする個別指導塾」の形態を選ばれた理由や経緯についてお聞かせください。

風間:原体験は、自分の子ども時代と教員時代の経験にあります。中学、高校と決められたレールを何の疑いもなく進んで、大学は「数学が得意だから」と先生に勧められるまま選び、大学生になって勉強に身が入らず、悶々とした日々を過ごしていました。ですが、意志を持ち行動する先輩との出会いを通じて、ようやく自分自身で目標を決めて行動できるようになりました。自分の頭で考えて、目標やそのためにするべきことを決めていく大切さを痛感するようになったきっかけです。そうしたギャップに苦しんだ経験から、目標や思いがあれば、勉強のプロセスも変わるし、意欲も生まれる。それに気づかせてくれるのはきっと身近な大人だろうと。そのように教育の重要性を考えるようになったんです。

 そして中学校の教員になり、確信へと変わりました。グループワークやゲーム感覚の競争など、いろいろと授業に取り入れてみたものの、どうしても学力差はついてしまいます。そして成績がそのまま自己肯定感の低下につながる。そこで「まなびポケット」を取り入れて学習指導の効率化を実現し、面談など、一人ひとりの人生に向き合う時間を増やしたところ、成績が上がっただけでなく、子どもたちも生き生きとしてきたんです。一人ひとりに向けてしっかり声をかけることができれば、できる子はさらに次を目指そうとするし、できない子も課題をなんとかクリアしようとする。その確信を得られたのは大きかったですね。

関屋:私もユーザー事例として風間の話を聞いていたので、ソリューションの提供者として役立てたのはうれしかったですし、そうした教育が本当に実現できるのだと実感しました。ほかにもNTTコミュニケーションズで、小金井市立前原小学校など、自立型学習を通常の教科に導入している学校と連携することが多く、日々の授業の様子を見ていたこともあったので、「これからの学び」に対する期待や確信は日々の仕事を通じて醸成された感がありますね。

風間:実は、その手段として「学校」をつくりたいと考えていたこともあります。でも、学校では先生がやることがとにかく多すぎて、雑務も多ければ部活や委員会の運営も担当しなければならず、子どもたちと触れ合う時間は限られてしまうと感じました。もちろん、そこから改革することも非常に大切です。でも、思い描いている学びをすぐに実践するためには、児童生徒一人ひとりとしっかり触れ合える学習塾が最も良い形態ではないかと考えたのです。

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目標を立て、自律的に「学習計画⇒実行⇒振り返り」のサイクルを

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この記事の著者

伊藤 真美(イトウ マミ)

エディター&ライター。児童書、雑誌や書籍、企業出版物、PRやプロモーションツールの制作などを経て独立。ライティング、コンテンツディレクションの他、広報PR・マーケティングのプランニングも行なう。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


森山 咲(編集部)(モリヤマ サキ)

EdTechZine編集長。好きな言葉は「愚公移山」。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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