ワンダーラボ(旧・花まるラボ)は、同社が開発・運営する子ども向け思考力育成アプリ「Think!Think!」を用いたカンボジア王国における実証実験において、対象児童の算数の学力テストやIQテストで計測された認知能力が統計的に有意に上昇したことを、2月12日に発表した。
同実証実験は、2017年(平成29年)に国際協力機構(JICA)の「2017年度第2回 中小企業海外展開支援事業~案件化調査~」に採択された「カンボジア王国におけるアプリ教材「Think!Think!」を用いた思考力教育の導入に関する案件化調査」の一環として実施されている。
実験では、カンボジア国内のモデル校5校・計1636名の児童(小学1~4年生)を対象に、3か月にわたって行われた。実施にあたっては、慶應義塾大学・中室牧子研究室に外部評価を受けており、対象児童を「Think!Think!」実施群(807名)と、非実施群(829名)に分けて、クラスターランダム化比較実験の手法を採用している。
実験開始から3か月後に行われたカンボジア国家学力テスト(算数)において、「Think!Think!」実施群が非実施群と比較して、偏差値で平均約6.9ポイントの向上が認められた。また、国際的な学力調査であるTIMSS(国際数学・理科教育動向調査)では平均約6.0ポイント、IQテスト(田中B式)では平均約8.9ポイントの向上が確認されている。
これらの結果を受けて、カンボジア政府はナショナルカリキュラムへの「Think!Think!」の導入を本格的に検討しており、2020年度にはパイロット校の規模を拡大し、より大規模な試験導入を実施する。
一方、ワンダーラボは今回の実験結果の要因として、「Think!Think!」が子どもの意欲やモチベーションに与える影響が大きいと推測しており、引き続き「Think!Think!」が非認知能力に及ぼす影響を調査する目的で、より長期的な介入を継続している。
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