3つ目の習い事:プログラミング教室
セミナー最初は、コエテコのサービス責任者沼田直之氏が登壇し、共同調査の内容とトピックレポートをベースに、プログラミング教育市場の現状を俯瞰した。
トピックレポートによれば、2019年の子ども向けプログラミング教室の市場は114.2憶円規模だと言う。この数字は前年の約90憶円に対して126%の成長を示している。教室数も全国で7000と、こちらも右肩上がりとなっている。成長率は目覚ましく活気のある市場といえるが、既存の習い事市場と比較すると、学習塾が9570億円、英会話が1035億円、そろばん塾で200億円と、決して大きいものとはいえない。
しかし、トピックレポートでは、2024年には257.3憶円と現在の2倍以上の市場規模に成長するとも予測している。少子化が進む中にありながら、2020年のプログラミング教育必修化などの追い風もあるからだ。
続いて沼田氏は、現在の市場動向を分析した。まず、プログラミング教室のターゲット層だ。コエテコでプログラミングの体験授業を申し込んだユーザー(生徒)の学年を分析すると、年長から4年生までの申し込みが全体の78%を占めるという結果が出た。男女比は男児83%に対して女児17%といった具合だ。
アンケートからは、習い事を決める上で重視するポイントはカリキュラムと授業料であることがうかがえると言う。プログラミング教室を申し込む子どもは、平均で1.87個の習い事をしており、およそ2個の習い事をしている場合が多い。これは、塾、スイミング、英会話といった習い事の定番のうち、プログラミング教育は「3つめの習い事」という位置づけにあると沼田氏は分析する。
実際の教室や授業について、カリキュラム、教員、教材などの評価、満足度は高いものの、通いやすさ、教室の雰囲気、授業内容がイメージしにくいといった点がマイナス評価になる傾向が見られた。保護者視点では、学習効果が分かりにくい、料金が高いといった声も聞かれた。ロボットやプログラムが動かない、駐車場など送迎がしにくいといった点も評価ポイントになっていることも指摘された。