(写真提供:EduLab)
GESAへの参加を通して、日本のEdTechスタートアップを世界へ発信
GESAは、EdTechのムーブメントの初期から始まったグローパルコンペティションで、現在約70か国が参加。今年は中国やチリ、アルゼンチン、アフリカなども加わり、年々規模を拡大している。日本予選は、昨年にEduLab主催のもと初開催したが、今年は経済産業省の後援や旺文社ベンチャーズの協賛を得て「GESA日本予選 実行委員会」として主催する形となった。
同実行委員会長であるEduLabの和田周久氏は、日本予選を実施した背景として、「日本には、よいEdTechスタートアップ企業があるにもかかわらず、海外での認知度が低いことを課題に感じていた」と説明した。
また、今回からリージョンごとの最優秀賞に加え、スタートアップ企業以外も視野にいれた「R&Dトラック」、AIをうまく活用した「AIトラック」が新設された。最優秀賞の一社は必須だが、新設トラックの採択は任意(受賞なしのこともある)。
昨年の日本予選第一回大会では、学習ノート共有アプリ「Clear(クリア)」を手掛けるアルクテラスが予選を勝ち上がり、ロンドンの本大会(GESA 2017)でも見事優勝を果たした。
各企業からのピッチに先立ち、アルクテラスの新井豪一郎氏が登壇し、先駆者としての経験を共有した。新井氏がGESAの特徴として挙げたのが、出場するファウンダーどうしや審査員との交流を活性化してくれる仕掛けについて。自国以外の企業が直面している課題や、広い視野で世の中をみている審査員の客観的なアドバイスが重宝したという。また、優勝により日本のEdTechスタートアップ企業が世界に通用することの証明に貢献できたことを感謝した。当時は会社が伸び悩んでいた時期で、振り返るとピッチへの参加が出会いのチャンス、ひいてはブレイクスルーのきっかけになったともいう。
白熱したEdTechスタートアップ9社によるピッチ
続いて、以下6名の審査員のもと、各社によるピッチが始まった。
- GESA日本予選実行会会長 (株)EduLab 取締役副社長兼CMO 和田周久氏
- 経済産業省 商務サービスグループ 教育産業室長 浅野大介氏
- 株式会社旺文社ベンチャーズ 代表取締役社長 本多輝行氏
- 株式会社旺文社 取締役 粂川秀樹氏
- 株式会社データビークル 代表取締役最高製品責任者 西内啓氏
- 東京大学 大学総合教育研究センター 特任講師 藤本徹氏
ピッチは7分の発表時間(延長なし)、審査員からの3分の質問時間(最後の質問に限り延長)というルールで、全9社による発表が行われた。以下、各社の発表をかいつまんで紹介する。