カモマンは、教員の「働きがい」と「働きやすさ」を可視化する「教師エンゲージメントサーベイ」を活用した実証事業に関して、文京区教育委員会と連携して区内の公立小学校で開始することを、11月25日に発表した。
同事業は、文京区が推進する「文京共創フィールドプロジェクト B+(ビータス)」の採択案件として、学校現場の持続可能な働き方改革を目的に実施される。

2025年9月に文部科学省が公示した「教員の働き方改革に関する新指針」では、在校時間の上限設定に加え、「働き方改革マネジメント」が管理職評価や研修項目に明記された。これにより、教育委員会には「業務量管理」と「健康確保措置」を体系的に進める責務が生じている。
カモマンは同実証を通じて、この新指針のもと、教育現場がデータに基づく持続的な職場改善を行う仕組みづくりを支援する。
教師エンゲージメントサーベイは、先行研究を基に開発された教育現場特化型の組織診断ツール。25の指標から成る客観的・定量的な診断結果と専門スタッフによる提言を通し、学校現場の職場改善・人材定着・採用広報を一気通貫で支援する。
他のサーベイと異なり、エンゲージメントサーベイは「前向きに働く心理状態」を定量的に測るもので、仕事への態度・認知と活動水準の両面から「活力ある職場」を可視化する点が特徴である。特に教師エンゲージメントサーベイは、教員特有の職務構造・人間関係・教育負荷を分析可能なモデルとして開発された。

導入校の平均値では、「働きがい」を測るエンゲージメント指数が6.7%向上、「働きやすさ」を測る職場環境指数が8.2%向上したことが確認されている(2024~2025年度の導入校平均)。これらの成果は、大掛かりな制度改正によらず、日常的な意識と行動の変化によって達成されたものであるという。

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