メディアフュージョンは、MF教員業績管理システム「新ライトパック」が大規模運用への対応を開始したことを11月20日に発表した。同製品は、2025年春にリリースされた大学・研究機関向けの業績管理システム。
大学や研究所で教員(研究者)業績管理システムを導入する際、拡張性とコストの両立が導入の課題となっている。具体的な検討事項としては、以下があるという。
- 拡張性を重視する場合:専用サーバを用意するオンプレミス方式を選択
- 拡張性よりもコスト重視の場合:中長期のコストを比較してクラウドサービス(業務特化型SaaS)かオンプレミスシステムを選択
さらにコスト面の課題としては、サーバレンタルが必要なオンプレミス方式の場合、レンタル料金やセキュリティ保守コストの負担が増える。また利用者が限定される業務特化型SaaSでは、従来型クラウドのSaaSの利用料が高額になりがちとなる。そのため中長期で考えるとコスト負担が大きく、一部でSaaS離れが始まっている。
そこで同社は、すでに多くの機関で導入されている「Microsoft 365」を基盤に、拡張性と低コストを両立するEaaS (Extension as a Service) の「新ライトパック」をリリースした。同システムは、拡張性をオンプレミス方式並みに保ちつつ、運用コストを重視し低コストで導入できる業績管理システムの提供を目指している。
「新ライトパック」における業績データの管理は、researchmap主体型となっている。教員(研究者)がresearchmapにデータを登録した後、「Microsoft 365」にデータを定期的に取り込んで業績データベースを形成する。researchmapにないデータ項目は、管理者が一括で登録できる。
「Microsoft 365」上にシステムを構築するEaaSを採用することで、サーバレスでの運用が可能。「Microsoft 365」が有するPower Automateといった各種ローコードツールを利用して、各種システム連携、Excel Online、Power BIなどによってデータ出力・分析ができる。
あわせて、「Microsoft 365」上で業績管理システムを稼働させるため、「Microsoft 365」関連の追加ライセンスを最小限にして、処理時間の制限をクリアした。その上で、今回は、教員数(研究者数)を1000名まで対応できるようにした。なお、要望に応じて2000名以上にも対応できる。
そのほか、登録した業績の外部公開機能を「Microsoft 365」上で実現しようとすると運用費が非常に高額になることから、メディアフュージョンの外部公開クラウドサービス「クラウド3.0」を利用している。
「クラウド3.0」は、WAFや24時間監視といったセキュリティ対策を実施するとともに、公開画面にレスポンシブデザインを採用する。これにより、パソコンやスマートフォンから快適にアクセスできる。また、公開画面には4つのテンプレートを用意してCMS上で管理しているので、通常のクラウドSaaSながら、デザインの自由度は高くなっている。
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