Yondemyは、オンライン習い事「ヨンデミー」の運営を通じて、講談社の児童文庫「青い鳥文庫」との協業を開始したことを、11月20日に発表した。同社にとって初の出版社との提携であり、子どもたちの声を起点とした新しい本づくりに向けた共同プロジェクトの第一歩となる。

今回の協業では「ヨンデミー」に蓄積された100万件を超える読書感想データやアプリ内リサーチの知見を活用し、企画・制作・編集・販促まで一気通貫で支援する。これにより、子どもの声に寄り添った新しい出版モデルの検証を行う。
「青い鳥文庫」のような児童文庫では、読者である子ども自身の反応や感想を直接把握することが難しく、インターネット上のレビューも保護者によるものが多いという課題があった。
これに対し「ヨンデミー」は、読書体験後に子ども自身が提出した100万件超の感想データを蓄積している。これらはすべて児童本人による実際の読書記録であるため、子どもの声を直接反映した独自の「感想データ」として活用される。累計2.5万人のユーザー基盤と合わせて、子どもたちの「読みたい本」に寄り添った本づくりを実現するとしている。
Yondemyはこれまで、学校・塾・学童といった教育チャネルを通じて、子どもたちの読書習慣を育む活動に注力してきた。
豊橋市立津田小学校では、導入1か月で学校図書館の貸出冊数が2.4倍以上に増加し、導入前に家庭で読書習慣のなかった児童の41%が全国平均以上の冊数を読了した。
学習塾においては、小学6年生の1クラスで、導入1か月で週あたりの読書量が3冊以上に増加し、読解力向上の成果が確認された。
浜学園では、8月より小学1年生マスターコースで「ヨンデミー」を必修化し、読解力向上と習慣化を支援している。
加えて、5月より東京都文京区の駒本育成室にて実証実験を開始し、「読書の時間」を日常に組み込み、読書感想の共有や定期イベントを通じて、読書習慣の定着と子ども同士の交流を促進している。
今回の協業は、こうした取り組みを経て、本そのものを作る活動に挑戦する段階に到達したものであり、まずはモデルとなる作品を設定し、出版プロセス全体を一貫して支援する。従来困難だった、読者である子どもたちの声を起点にした本づくりを可能にし、児童書出版の新しい形として検証・推進していく。
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