跡見学園女子大学は、文京キャンパスに「情報科学芸術センター」を2026年4月に新設すると、11月18日に発表した。通称はAISAC(アイザック)。
AIやデータサイエンスとアート・デザインが融合した、新しい産業・文化が世界的に台頭する中、同センターはその時代的要請に応える文理融合型の研究・教育拠点として誕生する。生成AIやLLM(大規模言語モデル)の発展により知のあり方が変容する中、「生命・知性・未来社会」に向けた新しいアプローチを創出することを目指す。
同センターでは、AIやテクノロジーを「思考と創造のメディア」と捉え、人間・AI・自然の関係性を再構築する「知のアトリエ」として機能することを目指す。従来の学問領域を横断し、「問いそのものを設計する(Engineering of Questions)」という新しい学問様式を実践する。
センター長には、人工生命と複雑系研究の第一人者である池上高志氏(現・東京大学大学院総合文化研究科 教授)を迎える。同氏はアンドロイド《Alter》シリーズや、LLMと身体性を組み合わせた新領域研究を推進してきた。同センターでは、メディアアート、AI研究、データサイエンスなどを専門とする研究者を新たに雇用し、多様な専門性を持つチームによる研究・教育を展開する。
同学がこれまで構想してきた新学部の理念と研究方針は、同センターに継承される。女子大学の既存学部科目と連携したAI・メディアアート関連授業を共同開講するほか、跡見学園中学校高等学校との教育連携も進め、「AIと女性の時代」にふさわしい教育を展開し、「新しい女性の学びのモデル」を社会へ提示していく。
2026年度内には、センター教員の専門性やネットワークを活かしたAI、データサイエンス、メディアアートをテーマとする公開講座や体験プログラムを実施する予定であり、学生・生徒のみならず一般の参加も可能とする。研究・教育活動は学内にとどまらず、国内外のアーティストや研究者との協働、公開講座、ライブ配信などの社会貢献活動、国際セミナーや展示などを通じた多様な共同研究の成果発信も計画されている。
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