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特集記事(大学の新しい挑戦)

東京理科大学「科学コミュニケーション学科」が目指すものとは? 科学と社会の架け橋となる人材を育成

東京理科大学 教育支援機構 教職教育センター 渡辺雄貴教授 インタビュー

科学技術を広く社会に伝えるには「正しい発信」だけでは難しい

──「科学を正しく伝える」ことは難しく、さまざまな障壁があると思います。広く社会に向けて科学への理解を促すためには、何が重要でしょうか?

 そうですね、正しいことを発信するだけでは難しいと思います。まずは「伝える相手」を理解することが重要です。万人に対して同じ方法で伝えても、うまくいかないでしょう。

 先ほどお伝えしたように、科学コミュニケーション学科では実習形式で市民の方々に向けて科学を伝えていきます。具体的には、さまざまな地方公共団体で開催されている科学イベントに出向き、学生が説明することを想定しています。その際重要となるのは、その地域の人たちの生活様式や、個別の参加者が何に興味を持っているのかを理解することです。

 また、コミュニケーションの双方向性も大切にしなければなりません。理学領域の中でも、特に数学などは他人が介在することがあまりなかった分野です。しかし、科学コミュニケーションは皆で問題解決を目指すものです。

 先日、本学で開催した科学技術コミュニケーションセミナーに、厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードのメンバーでいらっしゃった尾身茂さんをお呼びしました。そこで、尾身さんは「すべての質問に答えることを意識している」とおっしゃっていました。情報は一方通行でなく、双方向のコミュニケーションの中で伝わっていくものです。

 特に現代ではメールやSNSといったデジタルのコミュニケーション手段が増え、一方通行のコミュニケーションが増えています。そういったデジタルメディアとの付き合い方も、本学科で学んでもらえたらと考えています。

──科学コミュニケーション学科を卒業した学生の進路としては、どのようなものを想定していますか?

 科学コミュニケーションを学ぶことで、科学への「理解の促進」「社会的対話の推進」「信頼の構築」「意思決定の支援」ができる人材になってもらうことを期待しています。

 学科開設にあたっての議論では、科学技術を伝えるあらゆる人材を想定してきました。例えば政府の広報や、STEAM教育を実践する高校の教員、企業の中で開発と営業の間をつなぐ人材などです。取得できる資格としては、中学・高校の数学や理科、高校の情報の教員免許を予定しています。

 加えて、放送・メディア業界にも人材を輩出していきたいと考えています。新聞社には科学部があり、例えば科学者がノーベル賞を受賞した際にその功績を説明できる記者がいるのですが、テレビ局にはそういった役割を果たせる人材がほとんどいません。その結果、科学者の「人となり」に注目した内容となってしまい、科学技術自体にスポットライトが当たらないことが多いのです。

 しかし最近は、ようやくテレビ放送でも科学自体の解説に力を入れる場面が出てきました。だからこそ、今まで本学が輩出してこなかった職種にリーチすることで、市民が科学に向き合える素地を作れるのではないかと考えています。

次のページ
AIとの付き合い方をワークショップ形式で学ぶ

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この記事の著者

岡田 果子(オカダ カコ)

 IT系編集者、ライター。趣味・実用書の編集を経てWebメディアへ。その後キャリアインタビューなどのライティング業務を開始。執筆可能ジャンルは、開発手法・組織、プロダクト作り、教育ICT、その他ビジネス。

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丸毛 透(マルモ トオル)

インタビュー(人物)、ポートレート、商品撮影、料理写真をWeb雑誌中心に活動。

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森山 咲(編集部)(モリヤマ サキ)

EdTechZine編集長。好きな言葉は「愚公移山」。

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