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特集記事(大学の新しい挑戦)

東京理科大学「科学コミュニケーション学科」が目指すものとは? 科学と社会の架け橋となる人材を育成

東京理科大学 教育支援機構 教職教育センター 渡辺雄貴教授 インタビュー

AIとの付き合い方をワークショップ形式で学ぶ

──昨今、AIが急速に浸透する一方で、その使い方についてはさまざまな議論が起こっています。AIについては、どのように授業で取り上げる予定でしょうか?

 科学コミュニケーション学科では、学生自身がAIリテラシーを身につけ、また伝えていくための学びが必要だと考えています。AIリテラシーとは、AIそのものが何かを理解したうえで、社会や文化に与える影響を考慮しながら、責任を伴って行動できる力です。

 本学には、若年層向けにAIリテラシーを醸成するNPO活動を行っている学生がいるのですが、「aiEDU」というアメリカの団体の教材を用いて、具体的な日常の場面においてAI技術を利用することのメリットやリスクを考えるワークショップを展開しています。

 例えば「複雑な計算を必要とする数学の問題を解く最先端のAIがある。これを導入することで、どのようなメリットやリスクがあるか?」といった問いを、小学生から高校生まで、自分自身で考えてもらうのです。こうしたワークショップ形式の授業を大学にも取り入れていくことで、倫理的なAIの使い方を身につけてもらいたいと考えています。

 また、授業では実際に社会で起きている犯罪などの問題も取り上げることになると思います。昨今では生成AIを利用したディープフェイクの問題も深刻です。そういった具体的な事象を取り上げながら、「誰が得をして誰が損をしているのか」といったことを、学生自身に議論して考えてもらいたいですね。

渡辺雄貴教授

──渡辺先生は教員の立場として、大学での学びにおけるAIの影響をどのようにとらえていますか?

 新しいテクノロジーが出てくれば、それを「教育に生かそうという」動きと、「チートに使おう」という動きの両方が生まれるものです。

 昔、関数電卓が登場した際には「試験に持ち込まれたら困る」と言う教員もいたと聞いています。最近であれば、学生がレポートにインターネット上の文章を切り貼りするようなことがないように注意を払っていました。いつの時代も活用の仕方が気がかりな技術はあります。

 教員は、授業や試験を作る際、AIには答えられない問いを作るか、またはAIの活用を前提とした問いを作るのか……といったことを考える必要があると思います。

──いよいよ募集が始まる科学コミュニケーション学科ですが、どのような学生に来てもらいたいですか?

 理学の領域を幅広く学びたいと思っている学生にぜひ来ていただきたいです。「自分は理系だけれど、まだ何をしたいかわからない」という学生には、幅広い分野に横断的に触れられる本学科はオススメです。

 また、科学コミュニケーションを大学レベルで学べる、日本唯一の学科となります。ある意味、科学と市民をつなぐための壮大な実験であり、私たちはその実験を成功させようと考えているわけです。この実験に賛同して、一緒にやりたいと思う人に集まってもらえたらと思います。

 「早く行きたければ一人で行け、遠くに行きたいならみんなで行け」というアフリカのことわざがありますが、まさにその考え方を大事にしている学科です。協力してチームで取り組むことが好きな学生にもぜひ来てほしいですね。

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この記事の著者

岡田 果子(オカダ カコ)

 IT系編集者、ライター。趣味・実用書の編集を経てWebメディアへ。その後キャリアインタビューなどのライティング業務を開始。執筆可能ジャンルは、開発手法・組織、プロダクト作り、教育ICT、その他ビジネス。

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丸毛 透(マルモ トオル)

インタビュー(人物)、ポートレート、商品撮影、料理写真をWeb雑誌中心に活動。

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森山 咲(編集部)(モリヤマ サキ)

EdTechZine編集長。好きな言葉は「愚公移山」。

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