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特集記事(大学の新しい挑戦)

キャリア教育における、東京との格差をいかに埋めるか? 名古屋大学「リーダーシップ開発講座」の成果とは

名古屋大学 副総長補佐/キャリアサポートセンター長/大学院経済学研究科 教授 土井康裕氏&学生インタビュー

 名古屋大学では、従来の就職支援の枠を超えたキャリア教育が展開されている。そのキーパーソンである、同学の副総長補佐でキャリアサポートセンター長を務める土井康裕氏に、年間150回以上実施する企業連携イベントや、ビズリーチ・キャンパスとの協働で2024年度より実施している「リーダーシップ開発講座」の取り組みの背景や成果について伺った。単に就職活動のテクニックを伝えるだけでなく、学生一人ひとりが自分自身と向き合い、将来のキャリアに対する主体性を育む取り組みは、地方大学ならではの課題を乗り越える挑戦といえるだろう。

地方大学が抱える「キャリア教育」の課題

 名古屋大学は「勇気ある知識人の育成」を理念に掲げ、多様な学部・研究科を擁して社会課題解決や地域連携に力を注ぐほか、英語学位プログラムや海外拠点を通じてグローバルな人材育成を推進するなど、国際展開にも積極的に取り組んでいる。

 就職活動においても、地理的な立地と産業構造の強みを背景に、モノづくり産業、特に自動車業界への就職において実績を持ち、大手自動車メーカーの採用数は他大学の2~3倍にも上る。その一方で、インターンシップの重要性や採用手法の多様化など、近年の就職活動の変化によって「地方大学」としての不利な立場が顕在化している。また、東京・大阪の大学に比べ、近年「人気分野」とされる商社・コンサル・マスコミなどとの接点はあまりなく、採用される学生も相対的に少ないという。

 そうした時代の変化に伴う新たな課題を受け、名古屋大学ではこれまで実施してきたキャリア支援をブラッシュアップし、新たな取り組みを開始した。その中心となっているのは、2017年に学生支援本部内に発足した「キャリアサポートセンター」だ。従来の就職情報の収集・伝達を中心とした支援を見直し、キャリア支援の出発点を常に学生側に置きながら、多様な背景を持つ学生一人ひとりに寄り添い、社会との接点を築くために支援している。

 キャリアサポートセンター長を務める土井氏は、「これまで、就職活動がうまく進まない学生や心に重荷を抱える学生に向けて、相談対応や支援体制を充実させてきた。しかし近年は、学業成績などで上位の学生も就職活動で苦労しているため、その支援も強化することにした」と語る。

名古屋大学 副総長補佐/キャリアサポートセンター長/大学院経済学研究科 教授 土井康裕氏
名古屋大学 副総長補佐/キャリアサポートセンター長/大学院経済学研究科 教授 土井康裕氏

 いわば、就職活動にハードルがある層を押し上げ、トップ層をさらに高みへと引き上げるという「両面での支援」が、キャリアサポートセンターの新たなミッションというわけだ。その支援策のひとつとして位置付けているのが、直接企業の担当者と触れ合える、対面型の企業連携イベントだ。学生と企業の接点を増やすことにより、地域的な不利を少しでも解消し、学生のキャリア形成を支援しようというものである。これまでは個別相談以外に、大小合わせて年間150回以上の支援イベントを実施してきた。今後はこの中に直接企業と接触できる、例えば企業から課題をもらうワークショップなどのイベントを増やしていく予定だ。

 地方大学でありながら、イベントは対面にこだわっている。土井氏は「授業でも教員が学生の表情や反応を見ながらコミュニケーションすることで、授業自体のわかりやすさや面白さに影響が出る。就職活動でも、画面越しでは得られない緊張感や人間的なつながりが、次のステップへの意欲や行動を喚起し、信頼関係を醸成する」と語る。

 そして、企業と学生が直接触れ合う機会は、特に年次の若い学生にとって、就職活動への関心が芽生えるきっかけになるといい、その意味でも、対面の場は欠かせないという。

次のページ
「リーダーシップ」の定義を変える、教育としてキャリアを支援する講座

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この記事の著者

伊藤 真美(イトウ マミ)

エディター&ライター。児童書、雑誌や書籍、企業出版物、PRやプロモーションツールの制作などを経て独立。ライティング、コンテンツディレクションの他、広報PR・マーケティングのプランニングも行なう。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


関口 達朗(セキグチ タツロウ)

 フリーカメラマン 1985年生まれ。  東京工芸大学卒業後、2009年に小学館スクウェア写真事業部入社。2011年に朝日新聞出版写真部入社。  2014から独立し、政治家やアーティストなどのポートレート、物イメージカットなどジャンルを問わず撮影。  2児の父。旧姓結束。趣味アウト...

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森山 咲(編集部)(モリヤマ サキ)

EdTechZine編集長。好きな言葉は「愚公移山」。

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