セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、経済的な困難や生活上の困難がある世帯に、中学・高校の入学に関わる費用の一部を支給する「子ども給付金〜新入学サポート2025〜」事業において、4月に中学校や高校などに進学予定の子どもを持つ世帯を対象に実施した、「2025年経済的に困難な状況にある世帯への中高入学に関するアンケート調査」の結果を、3月17日に発表した。同調査は、1月9日〜24日の期間に行われ、2135名(きょうだいでの申請の場合はそれぞれで回答)から有効回答を得ている。
調査対象者に、卒業・新入学準備において捻出が難しい費用は何かを尋ねたところ(複数回答)、「パソコン・タブレット代」が前年調査と比較してもっとも増加した。新中学1年生では4ポイント増の21.1%、新高校1年生では9ポイント増の56.3%を占めた。

卒業・新入学準備に必要な費用を捻出するための方法を尋ねた質問(複数回答)では、「他の生活費を削る」という回答が約6割(新中学1年生の保護者は63.5%、新高校1年生の保護者は59.9%)となっている。

卒業・新入学準備に必要な費用を捻出するため「他の生活費を削る」と答えた人に、どのように生活費を削っているかを尋ねたところ(複数回答)、「親自身の食事量を減らしている」という回答が71.3%を占め、前年調査と比較して約7ポイント増加している。

卒業・新入学準備に必要な費用を捻出するために、「家族・親族からの借入」「友人・知人からの借入」「クレジットカードによるキャッシング」「銀行・消費者金融などからのカードローン」を挙げた割合は、新中学1年生の子どもを持つ世帯よりも、新高校1年生の子どもを持つ世帯の方が高く、新高校1年生の子どもを持つ世帯の58.3%が「11万円以上」の借り入れをしている。また、新高校1年生の子どもを持つ世帯の59.7%が返済期間を「1年以上」に設定している。前年調査と比較すると、借入金額は約5ポイント、返済期間は約9ポイント増加した。

以上の結果を受けて、セーブ・ザ・チルドレンは困難な状況にある子どもの「学ぶ権利」を保障すべく、
- 学用品の選択制の導入、価格の見直しや公費による購入、早期の必要金額開示
- 特に高校入学時のパソコン・タブレット代の国・自治体による助成の拡大、貸与の導入
- 新入学に関わる既存制度の拡充
- 高校入学前の準備金の創設
の4点を国や関係省庁、自治体に提言していく。

セーブ・ザ・チルドレンの「子ども給付金 ~新入学サポート~」事業は、特定の生活上かつ経済的に困難がある世帯のうち、同団体が定める申請条件を満たす世帯を対象に、中学・高校の入学に関わる費用の一部を支援するもの。子ども1人につき、中学入学時に3万円、高校入学時に5万円を給付し、返還の必要はない。これまで、のべ5211名が同給付金を利用している。
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