日立ソリューションズ東日本と北海道文教大学は、北海道文教大学内に設置されている恵庭市教育支援センター「学びの森」において、日立ソリューションズ東日本が提供する個別教育支援システム「uniSQUAREぴこっと」の実証実験を12月に開始したことを、2月21日に発表した。
文部科学省によると、2023年度の不登校児童生徒は全国で約34万6千人と過去最多の状況であり、早急な対応が求められている。不登校の背景にはさまざまな要因があり、学習面、生活面、精神面など多岐にわたる(令和6年10月31日 文部科学省「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」より)。また、学校や関連する支援者間の情報共有が難しいということも大きな課題となっている。そのため、教育・福祉・行政の間で情報共有と連携を密にし、子ども一人ひとりの事情に寄り添った学び方をサポートする体制作りが求められている。
福井大学・福井高専での研究結果をもとに日立ソリューションズ東日本が開発した「uniSQUAREぴこっと」は、特別な教育的支援を必要とする児童生徒や、さまざまな理由で学校に通えなくなっている児童生徒を個別に支援するシステム。このシステムでは、児童生徒に関する詳細な情報を教員や保護者、関連する支援機関全体で共有することで、一人ひとりに寄り添った支援を実現する。また、児童生徒の実態や課題に応じた個別の教育支援計画の立案と、支援内容の質的向上や教職員の作業負荷軽減を可能にする。
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実証実験では「学びの森」の指導員と市内中学校の関係者をオンラインでつなぎ、「デジタル連絡帳」のように情報交換することで「uniSQUAREぴこっと」の有効性を評価する。
目的
- 「学びの森」の指導員と市内中学校教員の間で登校状況や学習状況などの情報を共有することで、双方向のコミュニケーションをより活性化させる。
- 不登校生徒に関する情報を時系列で俯瞰的に把握することで、早期対応につなげる。
- 関係者の間で、不登校生徒の状況に合った指導・支援内容をタイムリーに検討する。

実証実験の範囲
- 恵庭市教育支援センター「学びの森」:指導員
- 恵庭市内中学校:指導教員、支援教員
期待される効果
- アナログ(電話/紙)の連絡手段をデジタル化することにより関係者の事務作業効率化を図る。
- 生徒の登校状況や学習状況、指導上の気付きなどを、関係者がタイムリーに登録・共有できる。
- 生徒の実態に応じた効果的な指導支援により学習の理解定着や自己肯定感が向上し、日常生活や登校に向け前向きな気持ちを持てる。
日立ソリューションズ東日本は今回の実証実験の結果を踏まえ、全国自治体や福祉事業者に向けて、不登校児童生徒の支援にとどまらず、発達障がいや障がい者就労支援に対しソリューション提案を進めていく。
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