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八王子市立小・中・義務教育学校の教員がインクルーシブ教育の充実に向け「ダイアログ・イン・サイレンス」を体験

 ダイアローグ・ジャパン・ソサエティは、「インクルーシブな教育の充実」に向けた教員研修として、八王子市立小・中・義務教育学校の教員103名を対象に「ダイアログ・イン・サイレンス」を実施した。

 同プログラムは、聴覚障害者が案内役を務め、音のない世界での対話を通じて多様性や相互理解を深める体験型エンターテインメント。

 当日は聴覚障害者のスタッフの案内により103名の教員が「ダイアログ・イン・サイレンス」を体験した。「ダイアログ・イン・サイレンス」では、参加者がヘッドセットを装着し、音のない環境でジェスチャーや表情などを使いながらコミュニケーションを体験する。プログラムの最後には、体験中に得られた気づきや発見を共有し、言葉の壁を越えた対話やダイバーシティについて考える時間が設けられた。

 教員からは「体験を通じて聴覚障害者の視点や多様性の価値を学ぶだけでなく、日常の授業や子どもたちとのコミュニケーションに新たな工夫を取り入れるきっかけにもつながった」との声が寄せられた。また「教員間の対話が活性化し、教育現場における相互理解を深められる契機となった」という声も見受けられた。

体験後の教員のアンケートより

 体験2週間後に実施されたアンケートでは、教育現場で体験をどのように生かしているかを中心とした回答を得た。

  • 「日本語の習得が十分でない児童が学級に在籍している。その児童に指示が伝わるよう、簡単な言葉や、ジェスチャー、実物やイラストを使うようになってから、該当児童だけでなく他の児童も指示を理解するようになり、集団行動や授業の活動が円滑にできるようになった」
  • 「手話だけでなく、ジェスチャーをつかって人に何かを伝える指導をとりいれた結果、児童の表情にメリハリがついた」
  • 「支援が必要な児童に対して、ハンディキャップだけでなく長所となりえる状態だという視点で児童を分析することができた。その視点から気づいた長所を全体にも伝えることで、学級全体の理解も多様性を認める気持ちが育ったように感じる」
  • 「場面緘黙の生徒やコミュニケーションが苦手な生徒に対して、生徒にとって1番良い方法を模索し、コミュニケーションをとる事ができた」
体験の様子
体験の様子

 同プログラムは、10月15日、10月17日、 10月24日に八王子市立いずみの森義務教育学校、八王子市立柏木小学校、八王子市立東浅川小学校で実施された。参加教員は市立小・中・義務教育学校の教員103名(各校1名ずつ 計3回実施)。子どもたちが抱える困難の多様化・複雑化に伴い、時代の変化などに対応できる教員の、資質能力向上のために必要な能力を身に付けることを目的として実施された。

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