Institution for a Global Society(IGS)は、従来の学力テストでは測れない生徒の「非認知能力」などをAIの活用で客観的に可視化する同社の評価ツール「Ai GROW(アイ・グロー)」が、長崎県立諫早高等学校に長崎県初の事例として有償導入されたことを、12月20日に発表した。12月13日を中心に、高校1年生278名が「Ai GROW」を受検した。
長崎県立諫早高等学校は近年、「キャリア検討会」という脱偏差値型のキャリア教育を推進し、個々の生徒の可能性を引き出す取り組みを強化している。この改革により総合型選抜入試や学校推薦型選抜入試での合格者数が増加し、多様な進路選択を支援する成果を上げている。
同校が進めてきたキャリア教育を中心とした学校改革において「偏差値以外の評価軸」もあることを生徒に自覚してもらうには、子どもたちが幸せな人生を切りひらくために必要な「非認知能力」の成長把握と、生徒への丁寧なフィードバックが従来の成績表と同様に欠かせないものとなっている。
しかし、従来の学力テストでは測れない「非認知能力」は表現力、共感力、決断力など多様であり、教員が生徒一人ひとりの能力を正確に把握することの負荷の高さが課題とされている。
同校でも「非認知能力」などの測定を客観的に行う方法を模索する中で、他社の外部指標を活用するなどを試みるも測定可能な能力・領域が限られており、多様な能力の成長を可視化するには至らなかった。
「Ai GROW」は最大25項目もの能力から同校が測りたい能力を選んで測定できる点に加え、生徒の自己評価だけでなく生徒同士が評価をする「相互評価」の方法を取り入れて客観性の担保に長けていることが評価され、この度の有償導入につながった。
「Ai GROW」は生徒の自己評価に加えて生徒同士が評価をする「相互評価」の方法を取り入れるとともに、人が人を評価するうえで生じやすい、忖度や性格の甘辛などの不要な評価の偏りをAIが補正することで非認知能力を含む25種類もの能力を公正に可視化できる。
「Ai GROW」では受検回数によらず年間の利用料を一定としており、生徒の能力やその変化を定期的に測定することが可能となる。これにより、測定した能力データを活用し、「どのような教育活動がどのような能力育成に貢献したのか」を効果検証できる。
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