ベネッセ i-キャリアは、同社の運営するシンクタンク組織「まなぶとはたらくをつなぐ研究所」が、全国の大学における就職・キャリア支援担当部門を対象に実施した、「大学キャリアセンターの学生キャリア支援における調査2024」の結果を12月20日に発表した。同調査は、8月26日〜9月13日の期間に行われ、277校から有効回答を得ている。
全国の大学における就職・キャリア支援担当部門に、キャリアセンターの支援比重が大きい学年を尋ねたところ(複数回答)、「3年生後期」(97.8%)がもっとも多く、「4年生前期」(89.9%)がそれに続いた。一方で、より支援比重を大きくすることを理想とする学年としては(複数回答)、「3年生前期」(71.8%)が最多となり、実態との比較でみると「2年生後期」の理想(61.7%)と実態(7.2%)の差が54.5ポイント、「2年生前期」の理想(39.7%)と実態(0.7%)の差が39ポイントとなっている。

キャリア教育観点で、学生が自己理解を深める活動の開始時期を尋ねた質問に対する回答のうち、大学側の理想では「1年生」(36.1%)、「2年生」(37.5%)、「3年生」(21.7%)が上位を占め、それぞれの大学における方針が3極化した。また、7割超の大学が1~2年生の低学年期から開始することを理想としている。一方で、低学年期から活動を開始している学生は13%にとどまり、学生の多くは大学が理想とする時期に自己理解を深める活動を始められていないことがわかった。

新しい学生支援プログラムの実施(2023〜2024年度)について尋ねたところ、「実施している」が73.6%を占めている。

新しい学生支援プログラムの実施率を、大学職員の規模別でみると、職員数20名以上の大学では9割超が実施していた。

学生の協力を得たプログラムの実施状況を尋ねた質問では、「実施している」という回答が52.7%に達している。

キャリアセンターの運営において、重視するものを尋ねたところ、「学生の就職先への満足度」(36.8%)がもっとも多く、「就職数・率」(25.3%)、「就職支援に対する学生の満足度」(21.3%)がそれに続いた。

就職活動において、企業に自学生を評価してもらいたい観点を尋ねた質問では、「人柄や性格」(92.8%)が最多となり、以下「志望企業への熱意」(70.0%)、思考力やチームワークなどの問題解決能力を表す「汎用的スキル」(66.4%)が続いている。「汎用的スキル」は、「専門的スキル」(39.4%)を大きく上回る結果となった。

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