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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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EdTechビジョナリーインタビュー

慶大生が手掛ける探究学習を個別最適化するサービス──高校時代に感じた「モヤモヤ」が誕生のきっかけに

EdTechビジョナリーインタビュー 第17回

人間だからこそできるフィードバックとは?

──クアリアは現在、大学生のサポーターがフィードバックを行っています。その点もこだわっているポイントなのでしょうか?

 はい。ただ、より正確に言うと「実際に高校で『探究学習』を経験している人がサポートしたほうがよいのでは」という考えによるものです。今の大学生は高校で「探究学習」を経験しており、その上の世代は現状、探究学習を経験していません。大学生にこだわっているのではなく、必然的に大学生が担当しているということですね。

 探究学習はテーマも進め方も人それぞれである一方、つまずきやすい部分やそこを突破したときの喜びは似ているように思います。先生からのフィードバックはもちろん参考にしますが、探究を経験していないが故に気づけない点も多いのではと感じています。だからこそ、経験者からのフィードバックはよりためになりますし、うれしいのではないでしょうか。

 また、有名大学の学生が時間をかけてフィードバックをしてくれるという点も高校生にとって刺激になるようです。多くの高校生は学校生活の中で褒められる機会がなかなかないと思うのですが、あこがれの大学に通う先輩から「がんばっているね」と言ってもらえたり、探究テーマに興味を持ってもらえたりすることで自信がつくと聞いています。加えて、探究学習を経験していない世代である先生方からも「大学生のフィードバックを読んで勉強になった」と、大変ありがたいお言葉を頂いています。

 ちなみに、フィードバックに関してはしっかりとしたガイドラインを設けていて、生徒の行動変容につながるように、サポーターとなる大学生にはフィードバックモデルの理論や実例をしっかりと学んでもらっています。

大学生のサポーターによるフィードバック(サンプル画面)
大学生のサポーターによるフィードバック(サンプル画面)

 なお、最近はAIを活用したサービスも増えていますが、自信につなげたり、モチベーションを向上させたりする観点から、フィードバックは現状、人間がやったほうがいいと考えています。大学生は高校生にとって「身近でありつつ、少し先にいる存在」です。だからこそ「サポーターからフィードバックをもらえるのはうれしい」という声はよくもらっているので、そこは重視していきたいです。

 ただ、フィードバックよりも頻度の高いリフレクションの部分についてはAIを活用できると考えており、2025年の4月以降にはAIによる支援機能を追加予定です。リフレクションはどうしてもただの記録に終わってしまいがちなのですが、AIがより深く内省するように促すことで、新しい見方や考え方を得るきっかけ作りになればと考えています。

 また「サービスの規模が大きくなると質が落ちていく」というのはありがちですが、その点はしっかりとケアして、生徒一人ひとりにしっかりと向き合うことは引き続き大切にしていきます。

 私たちもよく高校を訪問する機会があり、面白い探究活動をやっている生徒にはたくさん出会うのですが、みんな謙遜して自信を持つことができていないんです。非常にもったいないことだと思いますし、だからこそ、クアリアのフィードバックで自己効力感を高め、将来に対してもっとポジティブになる高校生が増えればうれしいですね。さらにその高校生が大学生になったとき、サポーターとして高校生を支援するような、いいサイクルを生み出していければと考えています。

──ありがとうございました。今後の展開も楽しみにしています!

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この記事の著者

森山 咲(編集部)(モリヤマ サキ)

EdTechZine編集長。好きな言葉は「愚公移山」。

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関口 達朗(セキグチ タツロウ)

 フリーカメラマン 1985年生まれ。  東京工芸大学卒業後、2009年に小学館スクウェア写真事業部入社。2011年に朝日新聞出版写真部入社。  2014から独立し、政治家やアーティストなどのポートレート、物イメージカットなどジャンルを問わず撮影。  2児の父。旧姓結束。趣味アウト...

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