日本電気(NEC)は、政府が推進するGIGAスクール構想第2期に向けた教育ICT事業強化の一環として、学習者用端末「NEC Chromebook Y4」の販売を、10月3日に開始した。2025年2月下旬の出荷開始で、価格はオープン。
「NEC Chromebook Y4」は、従来機種「NEC Chromebook Y3」と同様の360°回転する液晶ディスプレイを搭載。ノートパソコンとしてもタブレット端末としても使えるデザインを採用しつつ、CPUやメモリ、通信機能といった基本性能を強化した。
安全性対策の強化として、同製品では液晶ディスプレイとキーボードをつなぐヒンジに配したケーブルに、開閉によるダメージリスクを軽減する構造を採用したほか、ショートが起きにくい基板設計を採用するとともに、電源供給ケーブルにはすべて保護回路を追加している。また、異物の侵入を防ぐために開口部を本体左側面に集約して、机上の鉛筆の芯などが誤挿入しないよう接地面からの高さを改善するといった、発煙・発火防止対策を強化した。
さらに、従来機種の修理事例で4割以上を占めた、落下による天板の破損を低減すべく、本体の外周をゴムのような弾力性と硬質プラスチックのような強さを併せ持った素材(TPU)で覆っている。あわせて、グリップ感があり持ちやすく傷が目立ちにくい表面加工の採用、ゴム足の接地面積の拡大、ゴム足の劣化や紛失時に交換可能な構造を採用したほか、従来機種に対する利用者からの要望を反映して、キーボードのキートップ外れと隙間への異物の挟み込みの抑制、底面の固定ネジへの脱落防止リングの追加、バッテリ取り外し機構の採用も行った。
本体に対しては、これまで実施していたアメリカMIL規格準拠の試験に加えて、従来機種の修理事例に基づいた既存の耐久性確認試験の強化や追加を行った。液晶ディスプレイに過度なストレスを掛ける、開閉の繰り返しや筐体に衝撃を与えるといった既存の試験では、試験回数や衝撃の加速度を増加している。さらに、さまざまな使用状況での落下を想定した試験、ランドセルに収納して通学することを想定した加圧振動試験などを追加し、学校での使用時に起こり得るトラブルへの耐久性の確認を実施する。
そのほか、GIGAスクール構想第2期では運用中の既設端末からの、スムーズかつ段階的な入れ替えが求められることから、出荷時に管理コンソールへの登録作業やラベル貼りなどをNECが代行するとともに、充電保管庫に納品する導入支援、既設端末のリユース・リサイクルを促進する買い取り、データ消去といったサービスの提供を行う。
また、補助金対象の予備機を保管して、修理後に管理コンソールへの再登録まで一元管理を行う予備機運用サービスや、最大6年の延長保証サービスを提供する。ヘルプデスク「GIGAスクール運営支援センター」では、従来機種の運用ノウハウを活かして、端末や学習アプリに関する問い合わせ対応、定期更新作業や端末・アプリケーション活用状況の報告、さらなる活用に関する相談受付を、エーピーエスと連携して提供する。
同端末は、CPUにインテルN100、11.6インチワイドIPS液晶ディスプレイ(解像度1366×768)、メモリ4GB、32GBのeMMC、USB 3.2 Gen1 Type-C×2基、写真撮影時の解像度は5メガピクセル、動画撮影時の解像度はフルHD対応のアウトカメラ、HD対応のインカメラを備えている。対応無線通信はIEEE802.11a/b/g/n/ac/ax準拠の無線LANと、Bluetooth。Wi-Fiモデルに加えて、LTEモデルも用意する。
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