GIGAスクール構想で導入された1人1台端末は学校に多くの変革をもたらしていますが、その活用に対する教職員間の温度差は、よく議論の対象となります。本連載では小学校の学級担任である筆者が「日常的にICTを活用した学級経営」についての心得を紹介しています。第8回となる今回は、教員間に生じるICT活用の「温度差」を取り上げます。どう解消するか、一緒に考えてみませんか?
ほかの先生から「休み時間の端末利用をやめさせたい」という声が……!
前回、先輩教員の一郎先生から「『端末の休み時間の使用をやめさせたい』と言う先生が出てきたのでは」と指摘を受けた私。まさにその通りで、私はどのように対応すべきか困っていた。
私
最近、校内のほかの先生から「休み時間に端末を使わせるのはどうなのか」という声が上がっているんです。どうすればいいのでしょうか
一郎
やっぱり来たね。そういう意見が出てくるのは時間の問題だと思っていたよ
私
実際、「休み時間にゲームや動画ばかり見ている」といった報告も増えてきています。「それ見たことか」と言う先生もいて、なんだか居心地が悪いです
一郎
うん、予想通りだね。でも、ここで分断を生むような行動は避けよう。僕たちはチームとして、この事態をどのように乗り越えるかを前向きに考えていこう
【解説】温度差は避けられない
一郎先生の言う通り、教員間でICTに対する熱量や意識の違いが出るのは当然です。ある先生は積極的に端末を使い、授業や校務に取り入れている一方で、ほかの先生は技術的な不安や新しいものへの抵抗感から活用に消極的……といったことはよくあります。
その違いが悪いわけではありませんが、そのままにしておくと、学校全体の方向性がバラバラになり、子どもたちにも不利益が生じる可能性があります。だからこそ、この「温度差」をどう解消していくかがポイントになります。