learningBOXは、同社の運営するeラーニングシステム「learningBOX(ラーニングボックス)」において、手書き機能の拡充を9月末(予定)に実施する。
文部科学省による2023(令和5)年度の「全国学力・学習状況調査」では、教員と児童生徒とのやりとりで「ほぼ毎日端末を利用した」と回答した小学生の割合は全体の29.5%だった。中学生の割合も全体の25.7%となっており、紙と筆記用具の日常的な使用が明らかとなっている。さらに、IBT・CBT方式の試験を採用する通信制高校においては、完全なデジタル化ができていない実態がある。例として、試験中のメモ用紙と鉛筆の配布、鉛筆を忘れた生徒への対応などがあり、運用コストや手間の負担が懸念されていた。
これらの背景から、今回の「learningBOX」にて拡充される手書き機能は、文部科学省が推進するGIGAスクール構想の第2段階「NEXT GIGA」に沿って、教育現場におけるデジタル化の推進を目的とする。あわせて近年需要が急増しているIBT・CBT方式の試験を採用する、通信制高校での活用も期待される。
同機能では、オンラインでの小テストや中間・期末試験において、算数の途中計算を書いたり国語の問題文にマーカーを引いたりできる。これにより、児童生徒の思考プロセスが可視化され、紙の試験と同様に回答をスムーズに導き出せるようになる。パソコン、タブレット端末、スマートフォンに対応している。
国語や英語の長文問題といった同じ問題文で複数の設問がある場合は、メモ内容も設問をまたいで継続表示されるので、自身のメモを確認するために前の問題へ戻る必要がなく、手元の問題に集中して取り組める。また、長文の問題文をスクロールして読み進めた箇所を維持表示した状態で、設問をまたぐことも可能となっている。
ほかにも、学習をいったん中断してから再開した際に、以前のメモ書きを再利用できる機能も備える。学習再開ごとに新たにメモを書く必要はなく、中断前と同じ状態で取り組めるため、通信制高校など柔軟な学習スケジュールが求められる環境で役立つ。
「learningBOX」は、価格と使いやすさにこだわったクラウド型eラーニングシステムで、直感的なインターフェースの採用によって、専門的なIT知識を持たない人でも手軽に教材の作成や管理、メンバー管理、成績の保存や閲覧などを可能にするサービス。今後は、デジタルバッジの発行やChatGPTによるルーブリック評価機能などを開発していくという。
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