教育ネットは、同社が提供する教育機関・学校現場に特化した生成AIの校務支援・学習支援サービス「おたすけ学校AI」を、埼玉県さいたま市の市立小中・特別支援学校に提供を開始したことを、9月3日に発表した。同社は、さいたま市が自治体として取り組む「さいたま市スマートスクールプロジェクト(以下、SSSP)」の一環として、学校教育現場での生成AIの活用実証事業をさいたま市と共同で実施する。
この実証事業では、さいたま市の市立小中・特別支援学校における管理職、各教科、学級担任、事務職などさまざまな立場の教員約6000名を対象に「おたすけ学校AI」が利用できる環境を用意し、生成AIの活用が校務の負担軽減による働き方改革、創造的な活動の推進につながるかについて実証を行う。
また同社は、SSSPの一環として、8月5日にさいたま市教育委員会と連携して生成AIに対する理解を含めた研修会を、市内の教職員100名以上を対象に実施した。
さいたま市では、3月に公表したSSSPの成果を「SAItame(サイタメ)情報サイト」に取りまとめ、今後も「授業」「校務」で生成AIを活用する方針としている。
今後さいたま市では、業務改善に取り組む複数の市立学校で校内全教職員向けの生成AIを使った業務改善研修を行う。また、さいたま市の市立小中・特別支援学校での「おたすけ学校AI」の実証を進め、教職員の業務の効率化・省力化の検証を実施する。
文部科学省の調査によると、教育現場は深刻な状況にある。教員の約6割が月45時間以上の時間外労働を行っており、2022年度の教員の採用試験倍率は過去最低を記録し、教員志望者の減少という事態が起きている。こうした背景から、2月26日の文部科学省の「教育DXに係るKPIの方向性」で、生成AIの校務活用を2025年度(令和7年度)までに50%とするKPIが示された。
この現状を受けて同社は、学校・教育機関に特化した生成AIサービスとして、さいたま市での実証を皮切りに、本年度の下半期において数百校規模での「おたすけ学校AI」の導入を進めている。
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