次世代幼児教育研究プロジェクトは、教育関係者および保護者を対象にしたシンポジウム「21世紀型スキルを育むプログラミング教育の可能性」を、5月15日に開催した。
シンポジウムでは、英語・日本語・プログラミング言語のトライリンガル教育を提供するYes International Schoolを創設した、科学者でありサイエンス作家でもある竹内薫氏による基調講演をはじめ、幼児を対象にしたプログラミング、ICT教育の実践例の紹介、パネルディスカッションが行われた。
基調講演では、竹内氏が現在を「第四次産業革命の時代」と語り、歴史の中で人口、エネルギー、経済成長にどのような相関関係があったのかを踏まえつつ、先の予測がつかない現状にあっては、既存の教育システムが機能しなくなっているのではないか、と述べた。この時代を生きる子どもに必要なのは、「課題解決を目的としたプロジェクト学習」であり、その実践には「国語、英語、プログラミングなどの言語スキル」が必要と語っている。
さらに、AIについては「パターン化されたものを処理するのが得意なAIと、よりクリエイティブなことを担う人間とに分業化されていくであろう」を語り、「人間にしかできないクリエイティブなことを実現するための“外部脳”」としてAIをいかに使いこなすかを学ぶことが、子どもたちに求められると述べた。
そのほか、山梨情報通信研究所理事の杉浦学氏は、ScratchJrを使ったシニア世代と若者、子どもがタブレット端末でプログラミングを学ぶワークショップ開催による経験から、自ら学ぶこと、教え合う関係が自然に生まれることや、個別のペースでの学習を支援する工夫が重要である、といった知見を紹介している。
また、ICT教育推進担当・次世代教育開発部部長の栗林聖樹氏による、iPadを活用した教育の導入や、未踏ジュニアスーパークリエーター認定者の輩出といった成果が発表された。学研塾ホールディングス・経営企画本部ディレクターの西村文孝氏とGIビレッジ「クランテテ三田」のプリスクールフェローである中嶋雄一氏からは、モンテッソーリ教育と「プリモトイズ キュベット」の活用事例が紹介されている。
続いて行われたパネルディスカッションには、CANVAS理事であり、慶応義塾大学教授である石戸奈々子氏がモデレータとして加わり、プログラミング教育を巡ってさまざまな意見を交わした。
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・次世代幼児教育研究プロジェクト
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