Institution for a Global Societyは、同社の提供する思考・表現・判断力や主体性などを客観的に可視化する評価ツール「Ai GROW(アイ・グロー)」が、宮崎県初の事例として宮崎県立五ヶ瀬中等教育学校に有償導入されたことを、1月20日に発表した。1月23日に5年生(高校2年生の学年に相当)37人が「Ai GROW」を受検した。
国内初の中等教育学校である同校は、1994年の開校当初より「総合的な探究の時間」を先取りし、地域と協働した探究活動(フォレストピア学習)に力を入れ、地域に根ざしたローカルな学びを体験的かつ探究的に実践してきた。例えば、GIS(地理情報システム)を活用した探究活動では、五ヶ瀬町にある企業との商品開発や、学校林を活用した生物相の調査などを行っている。
探究型学習で伸びるスキル・能力の評価は、従来の知識を問うテストでは難しいため生徒が自己成長を感じづらく、評価に課題を持つ学校・教員が増えている。そこで同校では、これまで自己評価アンケート「ICEモデル」でこのような能力の評価を行ってきた。この度、評価の質をさらに向上させるため「Ai GROW」を導入し「相互評価」と「AIでの補正」を通じて客観性を担保した適切かつ公正な評価の実現を目指す。
同社は、国内外の小学校・中学校・高等学校250校以上、40都道府県(今回の宮崎県初導入を含める)への「Ai GROW」の導入を進めてきた。
従来のテストでは評価が難しい「知識を活用する力」は評価基準が曖昧になりやすく、また多様な能力を含むため、教員が生徒一人ひとりの能力を正確に把握することは負荷が高くなる。「Ai GROW」は、生徒の自己評価に加えて生徒同士が評価をする「相互評価」の方法を取り入れているほか、人が人を評価する上で生じやすい忖度や性格の甘辛などの不要な評価の偏りをAIが補正することで、25種類もの「知識やスキルを活用し、問題解決するための力」を公正に可視化できる。
加えて、年に何度受検しても利用料が変わらないため能力を定期的に測定可能となっており、測定した能力のデータを活用し「どのような教育活動が、どのような能力育成に貢献したのか」を効果検証できる。探究型学習による成長だけでなく、探究型学習の開始時期と終了時期に「Ai GROW」を受検することで、生徒が探究型学習を通して具体的にどのような能力を伸ばしたのかを定量的に評価することが可能となる。
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