1人1台を達成し、さらなる活用法を模索する教育現場
GIGAスクール構想により、児童生徒1人1台のデジタルデバイスの導入は現在小中学校ではほぼ100%完了しており、高校も2022年度中には少なくとも1年次は1人1台の体制となる見込みです。コロナ禍でのオンライン授業などが後押しとなって、当たり前の文房具として日常的に使う学校もあれば、特定の授業の限られた場面での活用のみという学校もあり、地域差や学校差があるのが実情です。
そのような状況の中、この記事をお読みの先生方の多くは、児童生徒のクリエイティビティ(創造性)を育むために、デジタルツールどう活かしていくのかということにご関心をお持ちなのではないでしょうか。
筆者はアドビの教育事業部門の統括責任者として、AELの先生方と日常的に接しています。本連載を通して、これらの先生方の先進的な授業のベストプラクティスや、教育現場での活用のヒントなどをお伝えし、日本全国の小中高校でのクリエイティビティ育成のお役に立てればと考えています。
Adobe Education Leaderとは
Adobe Education Leader(AEL)は、アドビのデジタルクリエイティブツールを使って先進的で実践的な教育活動を行っている先生方を認定するプログラムで、アドビがグローバルで行っているものです。日本ではGIGAスクール構想以前の2018年から開始し、現在の先生方が5期目にあたります。
毎年、30人前後の先生方がAELとして活躍されています。クリエイティブ、デジタルということで、美術や情報科の先生が中心と思われがちですが、実際には国語、数学、英語など、多岐にわたる教科の先生がおられ、学校種別、地域もさまざまです。
AELの先生方はご自身の授業で積極的にクリエイティブツールを活用されるだけでなく、学校外で教育関係者向けのイベントやセミナーで実践事例を広める、先生コミュニティで研修を行うなどの活動をされています。
新規のAELの募集は毎年2月ごろに行っているので、アドビツールを活用した授業実践をされている先生はぜひ応募をご検討ください。ご応募いただいた方には、筆者のほか、アドビの教育コミュニティ担当者や教育部門のマーケティング担当者がオンライン会議で先生のこれまでの実践内容や実績をうかがい、米国本社とも協議の上で認定の可否を検討します。認定は1年ごとの更新です。