文部科学省は、児童生徒が「情報活用能力」をどの程度身に付けているかを測定するために2022年1月から2月にかけて情報活用能力調査を実施し、その結果の一部を取りまとめたものを、2022年12月27日に発表した。
同調査は、児童生徒が「情報活用能力」(学習活動において必要に応じてコンピュータなどの情報手段を適切に用いて情報を得たり、情報を整理・比較したり、得られた情報をわかりやすく発信・伝達したりといったことができる力)をどの程度身に付けているか測定することを目的としたもの。
調査対象
- 対象学年(人数):国公私立の小学校第5学年(4486人)、中学校第2学年(4846人)、高等学校第2学年(4887人)計1万4219人
- 対象学校(学級):小学校161校、中学校162校、高等学校156校 計479校(各校1学級で実施)
調査内容
- 児童生徒を対象としたキーボードによる文字入力課題
- 児童生徒を対象とした問題調査
- 児童生徒を対象とした質問調査
- 学校を対象とした質問調査
この度発表された速報結果では、問題調査の結果から児童生徒の情報活用能力を得点化して9つのレベルに分類した。小学校、中学校、高等学校と校種が上がるにつれて得点が高くなる傾向が見られた。
環境問題に関するWebページに書かれている内容を正確に読み取ることができるかを問う調査問題の正答率は、小学生が31.5%、中学生が58.4%、高校生が73.0%という結果になった。
また、明るさセンサーについてプログラムのフローチャートを完成させられるかを問う調査問題の正答率は、小学生が41.3%、中学生が61.5%、高校生が69.2%だった。
さらに、フォルダ構成図から指定したフォルダを選ぶことができるかを問う調査問題の正答率は、小学生が51.5%、中学生が76.1%、高校生が83.5%という結果になった。
問題調査と質問調査のクロス分析によると、全校種に共通して「学校以外の場所で、インターネットを使って情報を収集する」「自分や他の人が作った作品や情報には権利があることを考えて大切にしようとする」など、肯定的に回答した児童生徒のほうが問題調査平均得点が高い傾向が見られた。
キーボードによる1分間あたりの平均文字入力数は、小学校が15.8文字、中学校が23.0文字、高等学校が28.4文字という結果になった。一方で、キーボードによる1分間あたりの文字入力数が15文字未満の児童生徒の割合は、小学校が51.2%、中学校が23.3%、高等学校が9.3%だった。
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