日本標準は、日本標準教育研究所とともに、のべ2万7000名の児童生徒を対象に実施した「国語と算数の基礎基本の習得状況に関する調査」の結果を、12月6日に発表した。同調査は、2021年~2022年にわたって行われている。
同調査は、生きる力を育む上で必要な基礎基本の力について、国語では「言葉の力」、算数では「計算・図形・文章題を解く力」が重要と考え、これらの習得状況を把握し、子どもたちのつまずきを分析すべく行われた。国語では言語活動を行うためにもっとも基本的な言語事項(言葉の意味・使い方、文法事項)の問題を、小学3~6年と中学1年の各学年に30~40問、算数では計算とその文章題、図形に関する問題を小学3~6年と中学1年の各学年に30~40問出題しており、いずれの学年も前学年までに学習した内容を出題している。
調査結果によれば、国語では文の構造の基本である「主語」「述語」「修飾語」の内容が、小学校高学年、中学1年で理解が不足していることが明らかになった。
「敬語」については、「丁寧語」は理解できているものの、「尊敬語」「謙譲語」の理解はやや不足している。とりわけ、自身の身内について述べる際の「謙譲語」の使い方が理解できていないと考えられる。
日常的な話し言葉では、「主語」「述語」「修飾語」ともに意識して使用する場面が少なくなっていると考えられ、「敬語」とりわけ「尊敬語」「謙譲語」についても同様と考えられる結果となった。
算数では、「文章題」の内容が全学年を通して正答率が低い傾向がみられ、「逆思考の文章題」について2021年調査では設問文のみ、2022年調査では図を入れて、同じ問題を小学3年・4年・5年・6年・中学1年で出題している。2022年調査では、小学3年はテープ図、4年・5年・6年・中1では線分図を加えて出題したものの、小学3年・4年・5年・6年では2021年調査よりも2022年調査の方が、正答率が低い。
「倍の見方の文章題」も、2021年調査では図を入れずに文章のみで出題して正答率が低かったことから、2022年調査では図を入れて出題した。結果として各学年で正答率の上昇がみられ、とりわけ中学1年の正答率が顕著に上昇している。
これらの結果から、算数で問題を解く際に図を活用するのは有効だと考えられる一方で、「残りは」「~倍の」といった言葉にまどわされず、文の構造を把握して問題文の意味をきちんと把握する必要があることが考えられる。
なお、12月26日と12月27日の12時10分~12時50分には、調査報告会をオンライン開催する。どちらも同じ内容で、各回の定員は70名。参加には事前申し込みが必要。
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