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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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EdTechZine読者イベントレポート

GIGAスクール構想を支える「ICT支援員」の課題──五十嵐晶子氏が示す解決策とは?

第17回 EdTezhZineオンラインセミナー「先生を笑顔に! 信頼されるICT支援員になるには?」

 GIGAスクール構想による急速なICT環境整備によって、全国の自治体や学校で「ICT支援員」のニーズも急増した。ICTに関する豊富な知識と技術を持つICT支援員は、授業支援から校務のサポートまで、現場の先生方のICT活用を助ける頼もしい存在として活躍している。しかし、その一方で「学校ごとのローカルルールが把握できない」「先生とのコミュニケーションがうまく取れない」といった、外部から学校に関わる支援員ならではの課題も浮上しつつある。第17回のEdTechZineオンラインセミナーは「先生を笑顔に! 信頼されるICT支援員になるには?」と題し、全国のICT支援員のサポートを行っている合同会社かんがえる代表の五十嵐晶子氏が、学校におけるICT支援員の現状から、円滑な運用のポイント、支援員から寄せられた悩みへのアドバイスまでを語った。

ICT支援員が「できること」と「できないこと」

 五十嵐晶子氏は、神奈川県を中心とした小中高校で自らもICT支援員を務めてきた経験を持つ。2020年3月に、ICT支援員の導入コンサルティングと育成を専門とする合同会社かんがえるを創業。現在は、全国の自治体や支援員事業者に向けた研修などを行う一方、YouTube「かんがえるチャンネル」でICT支援員に関する情報を発信している。

合同会社かんがえる 代表 五十嵐晶子氏
合同会社かんがえる 代表 五十嵐晶子氏

 最初に、五十嵐氏はGIGAスクール構想により爆発的に増えたというICT支援員の現状から話をスタートした。現在、学校現場で働いているICT支援員や事業者の8割は、GIGAスクール構想の開始前後から始めているケースが多く、その業務内容は学校や自治体によってかなり異なっているという。

 五十嵐氏は「ICT支援員は、あくまで授業と校務のICT活用を先生がスムーズに行うために支援する存在であり、先生ではない」ことを話し、その上で「講師や先生の代行ではなく支援員として雇用されているので、たとえ教員免許があっても授業を行ってよいわけではありません」と説明した。

 次に「GIGAスクール構想によって変わりつつあるが、基本的に守ってほしい」こととして、ICT支援員が通常行うべきではない業務の4例を解説した。

1.児童生徒への直接的指導を行わない

 先生立ち会いのもと、T2(授業支援者)として操作の解説などを「生きた動画教材」として説明代行することは可能。

2.ICT機器の物理的な修理を行わない

 学校のICT機器には、それぞれ仕様や保証があるため、勝手に修理を行うと保証が受けられない場合がある。

3.仕様に影響する設定変更を独断で行わない

 アプリや教材については設定なども仕様が決まっているため、独断での変更は不可。

4.個人情報を1人で取り扱わない

 派遣されている事業者から「ICT支援員は個人情報は扱わないこと」と、あらかじめ取り決めされているケースも多い。

 では、ICT支援員が行えるのはどのような業務なのか。それは以下の4カテゴリーに分けられるという。

1.授業支援

授業支援
授業支援

 準備から授業中、授業後まで、さまざまなサポートが存在する。全国のICT支援員が請け負っている業務は自治体や学校によって異なるが、上図に記載されている範囲であれば問題ないため「こんなこともできるかもしれない」というヒントにしてほしい。

2.校務支援

校務支援
校務支援

 「広報支援のひとつである、学校ホームページの支援は著作権や肖像権の意識が必要なため、意外と難しい」という。また、最近はGoogleフォームなどを使ったアンケートの集計支援も増えている。

3.環境整備支援

環境整備支援
環境整備支援

 GIGAスクール構想において、もっとも肝になる部分。「2020年から整備は強化されつつありますが、やはり進んでいない現場もあるため、注目してください」と五十嵐氏。

4.校内研修

校内研修
校内研修

 最近はプログラミングに関する研修も増えている。メーカーの研修よりも少人数で実施可能で、先生が普段使っている環境で気軽に質問することができるのが、ICT支援員による研修ならではのポイントだ。

 なお、ここに挙げた4カテゴリー以外にも、端末のちょっとしたトラブルやアプリ操作など、現場ではさまざまなサポートが生じる。「時代に合わせて支援の内容もだんだん変わってきていることを知ってください。トラブルだけでなく、先生が『うまくできた』ことを話せるようなコミュニケーションを取れるようになったら、先生を笑顔にするICT支援員の第一歩です」と五十嵐氏は伝えた。

次のページ
先生とのコミュニケーションが大きなカギとなる

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この記事の著者

相川 いずみ(アイカワ イズミ)

 教育ライター/編集者。パソコン週刊誌の編集を経て、現在はフリーランスとして、プログラミング教育やICT教育、中学受験、スマートトイ、育児などの分野を中心に、取材・執筆を行っている。また、渋谷区こどもテーブル「みらい区」を発足し、地域の子ども達に向けたプログラミング体験教室などを開催している。一児の...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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