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6000人の生徒が参加するArduino社の教育プログラム

スペインで展開されるCTC(クリエイティブ・テクノロジー教育) 第1回

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2018/04/23 14:00

 Arduino(アルドゥイーノ)と言えば、プロトタイピングからメディアアートまでIoTを活用した電子工作には欠かせないマイコンボード。Arduino社の4人の共同創業者は全員教育者で、スペイン国内では5年以上に渡ってArduinoを活用したCTCプログラム(Creative Technology in the Classroom)が行われている。13歳から17歳までの中高生を対象に行われているこのプログラムの締めくくりには、生徒たちが創作した作品の発表会が地元の科学博物館Cosmo Caixaで行われる。かわいいペットロボットからドローン、スマートハウスやセキュリティゲートまで展示作品は多岐にわたる。今回はその様子をレポートしたい。

科学博物館「Cosmo Caixa」
科学博物館「Cosmo Caixa」

生徒が創るペットロボやドローン、そしてスマホの活用

 会場になっている科学博物館の地階にエレベーターで降りていくと、この日は招待客だけのはずだがすでに人でごった返していた。全体では上の画像の3倍ほどの広さだろうか。2日間に渡って行われるが、6000人の生徒に対してその関係者や保護者なども訪れるため、来場者は大変多い。

 この不細工だが微妙にかわいい犬型ロボットは、センサーによって光に照らされた方向を追いかける。スマートフォンの照明機能を使い、犬を誘導するデモンストレーションを行っていたが、手作りペットロボットとして素朴な良さがあった。

 こちらのグループではスマートフォンのBluetooth機能を使ってロボットを動かし、3Dプリンティングされたパックマンのキャラクターたちを操作して遊んでいる。6人ほどのグループでコーディングとキャラクターの成形やボードの制作など、生徒の間で作業の分担が行われていた。

 3年前この発表会を訪れたときは、スマートフォンの活用はあまり行われていなかった。日本よりも遅かったが、ここ数年でスペインでのスマートフォンの普及が進み、学校でも自然とスマートフォンを活用するようになったようだ。

 2個のプロペラで進行方向を制御する気球。スマートフォンからBluetooth接続したArduinoでコントロールする。制作期間はわずか2週間ほど、プログラミングを行うことも今回が初めてだったと語っていた。教師が手取り足取り教えているのかと思ったが、自分でYouTubeを見たりして参考にしながら制作したそうだ。

 少々驚いたのだが、Arduinoを使ってドローンを組み立て、デモンストレーションしている生徒がいた。

 ドローン自体は珍しくないが、自分で部品を集め(台所用品のスポンジまで使って)Arduinoベースでドローンを組み上げるとは、学校の教育プログラムとしてはかなり玄人好みな選択だ。にわかに信じられず「本当にArduinoで作ったの?」と質問したところ、「はい。これはドローンと言います」と答えられた。それは知っています。若さが眩しい。


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著者プロフィール

  • 類家 利直(ルイケ トシナオ)

    スペイン・バルセロナを拠点として活動するジャーナリスト。音楽系テクノロジーや教育プログラム、Makerムーブメントなどについて執筆している。元々音楽教育が専門で、大学院ではコンピューターを活用した音楽教育を研究テーマに修士号を取得、青森県内の県立高校で音楽科教諭として勤務した過去を持つ。

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