PKSHA Technologyのグループ会社であるPKSHA Workplaceは、京都橘大学において、深層学習と自然言語処理(NLP)を活用した対話エンジン「PKSHA Chatbot」を運用することを、9月20日に発表した。
同大学では、DXの取り組みを進める中で以前より窓口業務の省人化・可視化に向け包括的にプロジェクトを進めていた。通学課程においては、学内問い合わせの効率化を目指し、一部チャットボットを導入していたが、定着・定常的な活用のハードルが高く、全学的な活用には至っていなかった。
一方、近隣大学で恒常的な活用が進み、効率化を実現していたシステムの事例から、大学で多数の導入実績がある同社との連携および通信教育課程への新規導入検討が進み、今回のPoC(Proof of Concept:概念実証)に至った。
今回の導入は、通信教育課程におけるチャットボットの活用領域として、主に学外からの受験希望者に向けた入試問い合わせ対応および学内における在学生に向けた教務関連の問い合わせ対応を前提としていた。PoCの中では、窓口の効率化に加え、付加価値向上を視野に、主に以下の3点が重要視されていた。
- 精度:学内の用語を正確に回答可能か。
- 運用性:業務部門においても既存の運用に加えて、問題なく管理・運用が可能か。
- データ活用:学生の集約や、入学の資料請求につながるようなマーケティング用途での活用が可能か。
通信教育課程のメンバーによる1カ月間の試験運用を通じて、各メンバーが通常の運用に加え、資料請求につながるような運用フローを問題なく組めることが確認できた。また「PKSHA Chatbot」は「Microsoft Teams」と連携している唯一のチャットツールであることから、大学内で広く浸透している「Microsoft Teams」との連携を通じた将来的な活用が見込まれることも、今回の決定要因として評価された。
チャットボットによる1次応答の対応だけでなく、最終的な有人対応を組み合わせることにより、「Microsoft Teams」上で在学生からの問い合わせを集約できる可能性も見据えている。また、学生からの問い合わせだけでなく、大学教職員間のコミュニケーションにも活用できるテーマとして期待されている。
今後は、短期的には通信教育課程での活用と定着化を進めていくほか、同時に実運用での問題点を整理しながら通学課程や教職員全体にも利用を促進させ、中長期的に導入範囲を学内全体へと拡大していく。
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