みんなのコードは、2022年度の高校における「情報I」の開始にともない、新学習指導要領が全校種で実施された一方で、さらにその先の情報教育のあり方について探究していく必要があると考え、「2030年代の情報教育のあり方」についての提言を、4月20日に発表した。
同提言の背景には、各学校段階における児童・生徒の情報活用能力の体系的な育成については、現状で課題が多いということがある。高校における「情報I」が大学入試共通テストに新設されるにも関わらず、現在の小中学校では情報を体系的に扱う時間がなく、各学校における指導者不足も問題になっており、2020年代に生まれた子どもたちが社会で活躍する、2050年代以降も日本社会の停滞が危惧されることから発表されている。
同団体は、次期学習指導要領において、小中高を通じた体系的・継続的な情報活用能力を育成する枠組みが必要であると指摘する。
提言では、2050年のよりよい社会の実現に向けて、2030年以降に実施される日本の情報教育について、以下の4点を実現すべきだと訴えている。
- 小学校:各学年、年間35単位時間程度の「情報を学ぶ時間」を新設し、各教科における学習の基盤となる情報活用能力を学ぶ時間を確保する
- 中学校:「技術・家庭」を「家庭」および「技術・情報」に再編し、情報教育の充実および高校との学習内容の接続をより確実にする
- 高校:専門学科を含むすべての学科で共通教科科目「情報I」を必履修とし、加えて「情報II」および専門教科「情報」科目から2単位以上の選択必履修とする
- 大学・現職教員:デジタル技術の特性を理解し、情報化の進む社会および学校現場での対応力と応用力を持った教員養成および教員研修を実施する
これらを実現するために、2022年度は小中高それぞれの学校教育現場および教員の養成において、より強固に連携を図りつつ、実証研究および調査研究を実施し、その結果を広く公開していく。
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