Shoeisha Technology Media

EdTechZine(エドテックジン)

記事種別から探す

VRは「学校と社会をつなぐ窓」――教育における活用の可能性と課題とは?

「Edvation x Summit 2017」パネルディスカッション「VR は教育に何をもたらすのか? ~VR Technologyの可能性~」レポート

  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2018/01/10 14:00

 テクノロジーを活用した教育イノベーションを広げることを目指し、国内外の識者、関係者を集めて開催された「Edvation x Summit 2017」。世界中の教育イノベーションの研究や事例が発表されたこのイベントでは、VR(Virtual Reality)と教育に関する取り組みについて、パネルディスカッションが行われた。工業やデザイン系の学校では、すでに3DシミュレーションやVR・ARを活用した授業や実習を実施しているところもあるが、一般の中学校・高等学校での活用事例はまだ少ない。教育分野における、取り組みと可能性にはどのようなものがあるのだろうか。

教育現場におけるVR活用の可能性

 まず、大阪大学大学院 准教授の福田知弘氏が、自身が手掛けたVR活用の事例を解説。鳥取県の「水木しげるロード」のリニューアル計画における、地域住民に向けたプレゼンテーションの事例を紹介した。

大阪大学大学院 准教授 福田知弘氏
大阪大学大学院 准教授 福田知弘氏

 道路の整備状況だけでなく、観光客の導線や滞留を意識した街並み、歩道、メインコンテンツの妖怪キャラクターたちの銅像を、VRゴーグルで疑似体験することができる。模型と異なり、昼や夜の状況も任意に再現できる上、街路樹などの配置を換えるのも簡単だ。

街並みを再現したVR
街並みを再現したVR

 「こうしたVRのリアルタイム性とインタラクティブ性は教育にも向いていると思います」と福田氏は語る。

 VRならば、全員で教室以外の空間を共有することが可能だ。個々の生徒のリアルな動作に対して3Dシミュレーションが現実のように反応する。

 「単に動画を見るのではなく、疑似的な空間に働きかけることを可能にするVRは、双方向の授業にも役立つはずです」(福田氏)

 先端技術やICT活用した授業となると、多くの教員が総合学習の時間での利用を想定しがちだ。しかし福田氏は、基礎学習や一般の教科授業でもVRは使えると考えている。

 数学や物理では、動画よりもシミュレーションが可能なVRのほうが理解が進む可能性がある。シミュレーターやシミュレーションソフトを駆使することで、現象を確認するだけでなく、自ら考えて試行錯誤できるからだ。

 これからの学校教育では、答えのない問題への取り組みが重要になるといわれている。ならば、課題解決につながる試行錯誤は重要だ。自分たちの考えを試すことは、新しい何かを作り出す力にもつながる。

 さらに福田氏は、プレゼンテーションもパワーポイントからVRを利用したものになる可能性を指摘。教育現場での活用例として、リモート会議システムとVRを組み合わせた遠隔授業を挙げた。


  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

著者プロフィール

  • 中尾 真二(ナカオ シンジ)

    フリーランスのライター、エディター。 アスキーの書籍編集から始まり、翻訳や執筆、取材などを紙、ウェブを問わずこなす。IT系が多いが、たまに自動車関連の媒体で執筆することもある。インターネット(とは当時は言わなかったが)はUUCPの頃から使っている。

おすすめ記事

All contents copyright © 2017 Shoeisha Co., Ltd. All rights reserved. ver.1.0