ライセンスアカデミーは、全国の高等学校を対象に実施した、Withコロナ時代の進路指導および高校生の進路選択の状況に関するアンケート調査の結果を、7月29日に発表した。同調査は、7月8日~16日の期間に行われ、693校から有効回答を得ている。
全国の高等学校に、生徒が進学情報を得るおもな手段を尋ねたところ(複数回答)、「校内の進路行事(対面)」が75.6%、「オープンキャンパス(対面)」が71.9%と、対面のイベント系が主体であることがわかった。新型コロナ禍で導入が進んだオンラインでのイベントでは、「オープンキャンパス(オンライン)」が57.3%だった一方、「校内の進路行事(オンライン)」は26.7%、「校外の進路相談会(オンライン)」は23.4%に留まっている。
生徒が進学情報を得る手段の中で、教員が特に重要だと考えている進学情報の入手手段を、上位5つまで挙げてもらった質問では、「オープンキャンパス(対面)」(88.2%)がもっとも多く、「校内の進路行事(対面)」(67.3%)がそれに続いた。オンラインによる入手手段としては、「オープンキャンパス(オンライン)」が29.2%、「校内の進路行事(オンライン)」が12.9%、「校外の進路相談会(オンライン)」が7.9%と、いずれも「生徒が進学情報を得るおもな手段」と比較して低い割合となっている。
新型コロナ禍での進学希望者の進路選択における傾向としては、「地元進学の希望者が増えた」(45.2%)と「奨学金を申請する生徒が増えた」(43.0%)が最多だった。ただし、「その他」(11.8%)の中には「とくに変化はみられない」という意見が多かったほか、「総合型選抜や推薦型選抜での受験を考えている生徒が増えた」「ランクを下げた指定校が増えた」といった意見もみられる。
生徒が就職情報を得るおもな手段を尋ねたところ(複数回答)、「求人票」(80.0%)がもっとも多く、「企業訪問・見学会」(54.6%)や「校内の進路行事(対面)」(50.0%)など、企業担当者と直接的にやりとりできる手段も5割を超えたものの、オープンキャンパスなど進学のそれと比べると割合は低下した。「その他」(5.5%)には、「ハローワーク経由」や「先輩・保護者からの情報」などが含まれる。
生徒が就職情報を得る手段の中で、教員が特に重要だと考えている就職情報の入手手段を、上位5つまで挙げてもらった質問では、「企業訪問・見学会」(74.5%)、「求人票」(73.7%)が7割を超えて最多となった。そのほか、イベント系の手段では「校内の進路行事(対面)」が40.7%、「校外の進路相談会(対面)」が25.6%となっている。
新型コロナ禍における、就職希望者の進路選択における傾向では、「地元就職の希望者が増えた」(51.0%)がもっとも多く、「企業の求人状況を理由に志望する業界・職種を変更した」も26.4%に達しており、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって、大きな打撃を受けた業界や職種への就職を目指していた生徒は、希望の変更を余儀なくされた可能性がある。さらに、就職から進学に進路を変えた生徒も16.2%に達した。
就職指導を開始する時期は、「2年生の3学期」(30.1%)が最多で、「2年生の2学期」(18.8%)、「2年生の1学期」(7.7%)を合わせた6割近くの高校で、2年生のうちに何らかの就職指導を開始していることがわかった。
就職希望者への指導について、課題に感じている点を尋ねた質問(複数回答)では、「自己分析・自己理解」(57.8%)、「職種研究」(43.1%)、「企業研究」(42.5%)が上位を占めている。
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