はじめに
第2回は、具体的なノウハウの説明の前半になります。最初は、授業動画の撮影方法についてちょっとしたコツも含めてお伝えします。その後、Googleドライブに動画をアップする方法を説明したいのですが、この話は「動画が整理された状態でアップされた後のGoogleドライブのイメージ」を先に持っておいていただくと、読者の皆さまの理解がよりスムーズに進むかと思います。
よって、第2回は授業動画の撮影方法について説明した後、動画がアップされた後のGoogleドライブのイメージをお伝えし、そのうえで第3回のGoogleドライブに動画をアップする方法の話へとつなげていきたいと思います。それではよろしくお願いいたします。
連載の流れ
- 第1回:Googleドライブの基礎知識
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第2回:具体的なノウハウ(前半)
(1)授業の撮影方法
(2)動画がアップされた後のGoogleドライブのイメージ - 第3回:具体的なノウハウ(後半)
- 第4回:生徒たちの活用状況(前半)
- 第5回:生徒たちの活用状況(後半)と今後の展望
授業の撮影方法
それでは、授業の撮影方法について以下(1)~(3)で説明します。
(1)教室前方の机に三脚とカメラ(スマホ)を置き、教員と黒板だけが見えるように授業を撮影します。
普段、私は生徒たちの姿が一切映らないように撮影しています(生徒たちの声は入っています)。この形で撮影することに対して、これまで生徒たちから不満・心配の声があがったことは一度もありません。
(2)授業で板書をする場合は、カメラ(スマホ)を設置したときに、あらかじめ画面を見ながら黒板のどこからどこまでが映るかを確認し、その両端に目印(例えば黒板消し)を置いておきます。そうすると、授業中に板書する内容がカメラの画面から外れなくなりますし、前で動く教員も目印が見えることで画面から外れにくくなります。
(3)撮影するときは5分に一度くらいを目安に、切りのいいところでカメラを止めながら撮影します。ここは授業撮影の最大のポイントとなりますので詳しく説明します。
3年前、私が初めて授業を撮影したとき、授業が始まって30分ほどたってから一度カメラを止め、その後撮影を再開して授業を撮り終える、という形で撮影しました。そうやってできた約30分×2本の授業動画をGoogleドライブにアップしたのですが、この後すぐに生徒たちからこの授業動画の弱点を2つ指摘されました。
1つ目は、30分の動画は容量が大きすぎて、Wi-Fi環境が良くないと視聴中に動画が途中で止まることがあるという弱点、そして2つ目は、30分の動画の中には生徒たちが考えている時間や黙々と書き込みをしているような時間があり、視聴する生徒によってはその「間」は不要になるという弱点でした。
そこで私はこの弱点を克服するために、動画編集ソフトを使って30分の授業動画を5分ずつくらいに分割してGoogleドライブにアップすることにしました。これにより2つの弱点は解消され、生徒たちは快適に視聴することができるようになったのですが、今度は動画編集に時間がかかってしまうという新たな弱点が浮かびあがりました。
この弱点を克服しようと試行錯誤した結果、最終的に私は授業中の撮影に一工夫を加えることにしました。それこそが上記(3)でお示しした撮影方法です。すなわち、授業中に切りのいいところで(5分に一度くらいを目安に)カメラを止める、それを繰り返すと授業が終わったときに5分ずつくらいの動画に勝手に分けられている、という極めてシンプルな撮影方法です。この方法だと、切りのいいところでカメラを止めているので不要な部分は最初からカットされており、しかも一つひとつの動画の容量が小さいので遅延が発生することもありません。これにより、私は極力手間を省く形で質の良い授業動画をGoogleドライブにアップすることができるようになりました。
「切りのいいところ」は、教科性や授業スタイルによってさまざまな形があるかと思います。私の場合は、発問した後にカメラを止め、生徒たちが考えている様子を見ながらタイミングをはかって撮影を再開するパターンが多いです。参考として次の動画(約1分30秒)をご覧ください。