ICTを体系的に学習し、最新情報を学べるプログラム
日本における「ネットワーキング アカデミー」の提供は1999年にスタートし、2020年の年間受講者数は学生・社会人を合わせて8700人を超え、提供開始時からの累計では7万人を突破した。現在、160を超える教育機関が参加しており、内訳は大学が約30%、専門学校が約30%、残りは高等専門学校や高校となっている。またコースは限定されるものの個人でも受講可能なものもあり、利用者の約半数は個人の受講者だという。
カリキュラムは高校生レベルから受講できる無料の「入門コース」と、デジタル基礎、ネットワーキング、プログラマビリティ、サイバーセキュリティからなる「キャリアコース」に分かれており、特に「入門コース」は汎用性が高く、理系・文系などに関わらず学ぶべき基礎的な内容で、個人での受講も可能だ。
「入門コース」の「サイバーセキュリティ入門(Introduction to Cybersecurity)」は、一人ひとりのセキュリティリテラシー向上を目的とし、Wi-Fiの使い方やパスワードの考え方、多要素認証といった情報リテラシーを中心に学べる。
また「IoT/DX 入門(Introduction to IoT)」はDXの目的や考え方に加え、それらを実現するテクノロジーとしてAIやマシンラーニング、プログラミングなどを広く浅く学習できる。
山中氏は「業界をリードする企業としてシスコシステムズが独自に教材を開発、更新していることは大きなアドバンテージ」とした上で、「基礎的な内容ではあるが、ICTが日進月歩で変化していく以上、常に最新の情報にキャッチアップしていくことは不可欠。シスコシステムズなら、多くのパートナーやユーザー企業で求められるスキルや技術をグローバルに調査し、それに基づいて教材をアップデートする仕組みが実現できる」と説明した。
さらに、教員にとっても自身の学習教材となるだけでなく、学校単位で導入すれば無料でラーニングマネジメントシステム(LMS)のアクセスキーが渡され、受講者の進捗・理解度も容易に管理できるようになる。また、修了者には修了証やデジタルバッジも提供される。
なお「ネットワーキング アカデミー」は、新型コロナウイルスの影響もあって学校への導入が急速に進んでおり、さまざまな反応も届いているという。その中で最も多いのが「網羅的なコンテンツを簡単に入手できた」といった感謝の声だ。
「コロナ禍により『授業のオンライン対応がやっと』の状況下で、情報教育のためのコンテンツまで準備することは困難だ。しかし『ネットワーキング アカデミー』を導入したことによってオンライン授業へスムーズに移行できた、との声を多くいただいた」と山中氏は語る。
さらに多くの学校での「導入が難しかった」というハンズオン演習も、「ネットワーキング アカデミー」では容易に実施できる点も高い評価を得ている。一般的に、プログラミングなどの実践環境の構築は専門的なスキルが必要となり、教員にとって大きな負担となる。しかし「ネットワーキング アカデミー」なら各コースの中で実際に手を動かして解く課題が散りばめられ、ルーターやスイッチなどの実機がなくても、近い操作経験ができるシスコシステムズの公式シミュレーター「Packet Tracer(パケットトレーサー)」上で実施可能だ。教材を読むだけ、動画を視聴するだけよりも知識やスキルの定着度が高く、教員もLMSで受講者の理解レベルを的確に把握できる。
山中氏は「『キャリアコース』については、就職後に実践に使えるスキルまで習得でき、就職活動時のアドバンテージになるといった評価を頂いている。『入門コース』は、キャリアに即つながるというよりもリテラシーの向上を目的としているが、体系的に学べることによって『ICTに興味を持つきっかけとなった』『セキュリティやネットワークなどの基礎知識を効率的に学べた』といった声を多く頂く」と語った。
「ネットワーキング アカデミー」は学校単位で導入が可能で、オンラインで学べる「入門コース」は学校導入・個人単位での受講がともに無料となっている。情報教育を担う教員や学生・生徒はもちろんのこと、それらを学ぶ学生・生徒と接する教員自身の情報リテラシーを更新する学習コンテンツとしても有効だ。興味のある方はぜひ利用してみてはいかがだろうか。