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アナリティクスを社会に実装できる「場」と「人」の拡大を目指すSASの研究支援

SAS FORUM JAPAN 2020レポート(後編)

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2021/01/26 07:00

データを通じた社会貢献を目指す「Data for Good」への取り組み

 近年、企業においては、商業的利益を目指す事業と社会貢献的な事業活動の双方にデータアナリティクスを活用する動きがあり、こうした取り組みは「Data for Good」と呼ばれている。SASはグローバルで「Data for Good」に取り組んでおり、SAS Japanでも近年、その取り組みを加速している。

 SASによるData for Goodへの取り組み事例としては「人類の食糧供給に影響を与えるミツバチの個体数の保全・保護プロジェクト」「アマゾンの熱帯雨林保護プロジェクト」「動物の足跡のデジタル画像解析を通じた、絶滅危惧種の識別・監視プロジェクト」などがある。前述の、東北大学との共同研究による、ディープラーニングを用いたエコー画像の診断支援システムもそのひとつだ。

 「ビジネス課題へのデータアナリティクスの適用は、既に多く行われている。一方で、医療、健康、教育、人権、福祉、環境といった、より社会的な課題に取り組む研究は、企業単独では難しい側面もある。“Data for Good”を拡大していくにあたっては、特にアカデミアとの連携が重要だ」(竹村氏)

 SAS Japanでは、Data for Goodへの取り組みの一環として、2018年末に「Student Data for Good Community」を発足した。このコミュニティでは、データアナリティクスを活用した社会課題の解決に関心のある学生に対し、勉強会の場やツールを提供している。

 「理系、文系を問わず、幅広い領域の学生に、アナリティクスのアプリケーションをどう使えばいいのか、それをどう社会に実装し、意思決定に活用できるかを事例や実践を通して学んでほしい。そして、もしアカデミアを離れた場合でも、その知識を生かしてほしい」(竹村氏)

 Student Data for Good Communityでは、参加者がそれぞれにSDGsの中から関心のあるテーマを選定して個人研究を行っている。今回のSAS FORUMでは、コミュニティのメンバーである学習院大学大学院文学研究科の齋藤友花氏が「日本における相対的貧困率の高さと、教育格差との関連」についての研究を紹介した。

日本における相対的貧困率の高さと、教育格差との関係を考察
日本における相対的貧困率の高さと、教育格差との関係を考察

 2020年は、新型コロナウイルスの影響もあり、対面での勉強会や企業との共同研究プロジェクトなどが思うように実施できなかったというが、今後は「このコミュニティを通じたコンペティションや、研究発表の機会も数多く作っていきたい」(竹村氏)という。

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著者プロフィール

  • 高橋 美津(タカバシ ミツ)

    PCやネットといったIT分野を中心に、ビジネスやゲーム分野でも執筆を行うフリーランスライター。Windowsユーザー。

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