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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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EdTechZineオンラインセミナー

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イベントレポート(プログラミング教育)

苦手な人、興味がない人にもプログラミング教育を広げていくためには? 立場の異なる教育関係者が語り合う

「ONLINE明日会議」レポート:後編


 「教員が明日からでもプログラミング教育ができるように」と、みんなのコード主催のもと開催されてきたイベント「明日会議」。今年は「ONLINE明日会議」として、10月31日にオンラインで実施。主催も東京都小学校プログラミング教育研究会へバトンタッチされた。その模様を2回にわたってレポートする。後編では、教員有志による団体の紹介と、有識者によるパネルディカッションを中心にお送りする。

プログラミング教育に挑戦し続ける教員の団体

 前半の基調講演に続いて、プログラミング教育に取り組む教員の団体より、団体の紹介や活動内容などの発表が行われた。

東京都小学校プログラミング教育研究会

 今回から「明日会議」の主催者となった東京都小学校プログラミング教育研究会(以下、都小プロ)は、「数年後のプログラミング教育において、教科や特活のように教員主体で全国大会が開催できるようにしたい」という思いを込め、2019年に発足。東京都の研究推進団体支援事業の認可を受けた公的な団体のため、教員は業務時間内で研修や出張として活動に参加できる。

 研究主題は「すべての子どもと教師がプログラミングを楽しむ東京都にする」こと。2019年の9月に1回目の研究授業を行い、小学校4年生の総合的な学習の時間で、Scratchを使い自分の好きな場所をアメリカの小学生に紹介する活動を行った。子どもたちはScratchを単なるプログラミングツールとしてではなく、表現や発表の道具として使う体験ができた。

Scratchには音声翻訳機能もあり、海外との交流に適していることも選定の理由だ Scratchには音声翻訳機能もあり、海外との交流に適していることも選定の理由だ
Scratchには音声翻訳機能もあり、海外との交流に適していることも選定の理由だ

青森県プログラミング教育研究会

 青森県プログラミング教育研究会は現在、青森県の津軽地方を中心に活動している団体で、2019年に設立された。2019年度は勉強会を月に1~4回実施したほか、研修会も数回開催。また、プログラミング教育の全体計画や年間指導計画を作成し、各市の学校に配布した。2020年に入ってからはオンライン授業の体験会を開催したほか、少人数での研修会も行った。

 今後は、教員が公務として研修に参加できる団体となり、授業研究会の開催や、県全域へ活動を広げることを目標としているという。

月に4回、毎週勉強会を開催した時期もあったという
月に4回、毎週勉強会を開催した時期もあったという

AP Labo

 AP Labo(尼崎市小学校プログラミング教育研究会)は、兵庫県尼崎市の「学びの先進研究サポート事業」の支援を受ける自主研究団体で、市内の小学校教員6名が参加している。定例会を開催するほか、「先進的なプログラミング授業の提案」と「誰でも簡単に取り組めるプログラミング授業の普及」の二軸で活動を行っている。

 「先進的なプログラミング授業の提案」では、未来の学びコンソーシアムの「みらプロ」に参加し、DeNAの「プログラミングゼミ」を使った授業と、みんなのコードの福田氏を招き、市内の教員を対象とした研修会を実施した。ほかにも、さまざまな企業と連携しプログラミングの授業を行った。

国語の授業で「熟語たたきゲームを作ろう」を実施
国語の授業で「熟語たたきゲームを作ろう」を実施

 「誰でも簡単に取り組めるプログラミング授業の普及」としては、定期的に公開授業や教材体験会を実施する以外にも、現在の環境で取り組める実践をまとめた年間指導計画を作成し、市内45校へ配布した。

かながわのコード

 神奈川県内外から約70名の教員が参加しているかながわのコード。2018年にオンライン上で発足し、研究会や公開授業を開いてきた。第1回の研究会では参加者による実践報告会と、みんなのコードの畑紗羅氏を招き、国内や海外のプログラミング教育の状況について講義を実施した。

 また、横須賀と川崎の地域支部に分かれ、それぞれ活動を実施。

 横須賀支部では2018年、市の情報教育研究会が中心となって養成塾を開講。10校約34名のメンバーが参加し、指導案をシェアした。現在はオンラインでの活動が中心だが、今年12月にはプログラミングを取り込んだ総合的な学習で、県大会での文書提案を予定している。

多くの教員がした養成塾などの活動
多くの教員がした養成塾などの活動

 川崎支部でも2018年、総合教育センターの研究発表としてモデルカリキュラムを作成。「小学校プログラミング教育の手引」に基づいて、どの学年でどのように行えばいいのかを具体的に示した。指導案だけでなく動画も作成し、そのまま研修に使える資料を作成した。そのほか、算数や理科を中心に公開授業などを行っている。

そのまま研修に使える資料を作成
そのまま研修に使える資料を作成

Type_T

 Type_Tは「とにかくやってみるプログラミング教育ティーチャーズ」をスローガンにする、全国規模の研究組織だ。プログラミング教育にチャレンジしているが、なかなか学校内で普及できない……そういった教員をつなぎ、実践や悩みを共有する場としてさまざまな活動を行っている。現在は北海道から沖縄まで、約50名の教育関係者が参加している。

学校内で仲間がいなくても、Type_Tにはチャレンジをする仲間がいる
学校内で仲間がいなくても、Type_Tにはチャレンジをする仲間がいる

 2019年12月には日本マイクロソフト本社で理科の単元に特化した教材体験会の大規模イベントを開催。定期的な活動としては、毎週火曜日に授業実践をオンラインで発信する「Type_TのTT」があり、さまざまなプログラミング教材を使った取り組みをそれぞれの教員が発表している。

次のページ
授業で活用できるプログラミング教材

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この記事の著者

森山 咲(編集部)(モリヤマ サキ)

EdTechZine編集長。好きな言葉は「愚公移山」。

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