ブレインアカデミーは、全国の専門学校を対象に実施した、新型コロナ禍でどのような認識を持ち、どのように工夫対処しているのかに関するアンケート調査の結果を、11月9日に発表した。
同調査は、10月19日~11月6日の期間に行われており、全国38都道府県の専門学校専門課程130校から有効回答を得ている。
調査対象校に、今年度の学生募集について尋ねたところ、61.1%の学校が「厳しい」と回答し、「好調」という回答は9.2%に留まった。
分野ごとの特色は特にみられず、総じて厳しいと認識している学校が多い。入試形態の工夫やオンラインでの入試説明会、高校と直接連携した出張授業、社会人への学費減免制度を設けるなど、具体的な工夫を行っており、募集活動に大きな変化がみられる。とりわけ、Webや動画を使用した面談やPR方法は急速に普及し、実施形態が多様だった。
学生対応や指導については、93.9%の学校が学生の学力だけではなく、その気質や価値観を含めて総合的な学生の多様化を感じている。89.3%の学校では、クラス担任業務・学生指導業務を大きな負担と感じると回答した。
今回の調査に協力した専門学校のうち、77.9%が4月に始まった専門学校等高等教育機関を対象とする授業料や入学金などの実質無償化(高等教育の修学支援新制度)の対象校として認定されており、7.6%の学校が対象校を目指していることがわかった。
学校評価活動を実施している学校のうち、91.6%が学校運営に役立つ活動と回答する一方で、57.2%の学校が教職員の負担が大きいと感じている。
客観的な指標の設定や、成績分布の公表に多く活用されるGPA、それを活用した成績の厳格化については、肯定的評価は35.8%に留まり、否定的な評価が3.9%、どちらともいえないが60.3%だった。
今後の学校運営については、「入学生の確保」「就職率・国家試験合格率」「授業・学生対応・学生満足度の向上」がとても重要という回答が、いずれも80%を超えている。しかし、それに対して「人事採用・労務環境の整備」は64.1%に留まっている。
改善すべき課題として、回答がもっとも少なかったのは「授業・学生対応・学生満足度の向上」と「人事採用・労務環境の整備」(どちらも24.8%)だった。
そのほか東京都の専修学校では、全国と比較して「時差・分散通学」や「教室内の学生数を減らした授業」といった感染症対策に留意した対面授業の工夫が多く実施されている。
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