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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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キーパーソンインタビュー

言語学習にもAIなどのテクノロジー活用が進む――「HelloTalk」創業者が語る、外国語教育のトレンド

 ICTを活用し、個別最適化された学習法が注目されている昨今。言語の学習・教育には、どういったテクノロジーが活用されているのでしょうか。また英語4技能など、外国語を「使う」能力が求められる今、勉強や暗記ではなく、自然に日常的に言語を学ぶための環境をどう整えるかも、外国語教育の課題です。オンライン上で自然に、自分のペースで言語を学ぶことができるコミュニティアプリ「HelloTalk」の創業者 Zackery Ngai氏は、言語学習にもパーソナライズやAIといった技術が活用され始めていると言います。自らも多言語の話者であり、外国語学習のエキスパートである同氏に、外国語学習のトレンドや教育現場での課題について、伺いました。

“勉強”や“暗記”ではなく、自然にその言語の環境に入り込める「HelloTalk」

HelloTalk 代表 魏立華(ウェイ リファ)英名:Zackery Ngai(ゼッカリ ンガイ)

代表 魏立華

 カリフォルニア大学バークレー校経営学士。1973年に中国海南省で生まれ、10歳から18歳まで香港で過ごし、その後、米国のカリフォルニア大学バークレー校に通う。1990年代に日本のドラマ「東京ラブストーリー」と「ロングバケーション」に魅了され、日本語を学び始める。

 アメリカ、香港、中国、韓国の多国籍企業での10年以上の管理経験を持ち、グローバルなクロスボーダーのeコマース企業を立ち上げ後、2012年に、モバイルインターネットとアプリがテクノロジー界の次のトレンドになると感じHelloTalk社を設立。

 同社では、世界中の語学学習者が互いの学習を助け合う仕組みを提供し、ネイティブスピーカーとの言語学習をいつでもできるようにす実際の環境で実際に言語を使うることを使命にサービスを展開。2020年6月の時点で2000万人を超えるユーザーがおり、世界最大の多言語学習コミュニティアプリとなっている。

――まず、言語学習のためのオンラインコミュニティ「HelloTalk」の概要について教えてください。

Zackery Ngai氏:「HelloTalk」は、グローバルな言語交換学習のSNSアプリです。世界中で、2200万人以上のユーザーに利用いただいています。ネイティブスピーカーとともに言語を学びたい方が使っていて、従来の言語学習より自然で魅力的な方法で、言語を学ぶことができます。

 HelloTalkの最も素晴らしい点は、まるで外国で生活し現地の話者とコミュニケーションをとっているような言語環境があるところです。

「HelloTalk」(公式サイトより)
「HelloTalk」(公式サイトより)

――「HelloTalk」は学校などの教育現場でも活用されているのでしょうか?

Zackery:「HelloTalk」は主に個人のユーザーにご利用いただいていますが、多くの語学の先生たちにも授業の中で「HelloTalk」を活用いただいています。例えば、テキサス大学のポルトガル語のクラスで、Orlando教授は、ポルトガル語を練習したり、言語やカルチャーについて質問したりするのに、「HelloTalk」を使うよう推奨しています。

――「HelloTalk」を使って言語を学ぶことで、どんな効果があるでしょうか。また、従来の外国語学習・教育を「HelloTalk」はどのように変えると考えていますか。

Zackery:従来の言語学習では、実際の環境で言語を使う機会はなく、つまらない方法で単語や文法を暗記するだけでした。「HelloTalk」を使うメリットは、学習者が“勉強”や“暗記”だと感じることなく、その言語の環境に浸り、すぐに外国人と会話できることです。HelloTalkのユーザーは、1日目から言語を使う練習をします。また、ネイティブスピーカーから瞬時に修正のアドバイスをうけることもできます。

 言語というのは本来、その環境に“さらされる”ものです。人間は赤ちゃんの頃から学校ではなく、両親や周りの人とのコミュニケーションを通して母国語を学びます。実際、3歳から4歳くらいの子どもは流暢にその母国語で話すことができますよね。日常的にその言語の環境にさらされ、さらにその国の文化とともにいることは、その言語を学ぶスピードを加速し興味を高めてくれるでしょう。

 これは、教室などの排他的な環境で、言語を徐々に学習していくのとは異なります。こういった言語にさらされる環境こそが、現在の外国語学習に欠けている、補っていくべきものだと思います。

テクノロジーを活用した、外国語学習のトレンド

――外国語学習のトレンドを教えてください。昨今、ICTを活用した学習法が増えていますが、言語学習にもAIなどのテクノロジーが使われるようになっているでしょうか。

Zackery:そうですね。トレンドは、パーソナライズの技術や、AI、アダプティブラーニングなどの技術が使われる傾向にあります。これらの技術によって、学習者は自分のペースで、興味を持っているトピックについて学び、成長することができるのです。

 HelloTalkの場合、ユーザーは“モーメント”の投稿(ツイートのようなもの)を書き、それに対してネイティブパートナーから修正の指摘をうけます。ユーザーは言語学習のパートナーの文章を訳して、覚えたい語彙にしるしをつけます。こうしてHelloTalk内にはユーザーが何を知らず、何を間違えたのかといったデータがたまっていき、それに基づいたコンテンツをレコメンドすることができています。

 さらに、こうしたデータを活用してHelloTalkでは、「AI Grammar Checker for English」というアプリもリリースしました。これはAIを活用した英語の文法修正エンジンで、1000万ものHelloTalkの言語修正のビッグデータを通して開発されました。

AI Grammar Checker for English
AI Grammar Checker for English

 その他にも、今注目している外国語学習のサービスだと、「Duolingo」や中国語学習アプリ「HelloChinese」、英語学習のための動画コンテンツを厳選・提供するアプリ「Cake」や、単語学習のためのアプリ「HelloWords」などがおすすめです。

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学習者が「自分で」ミスに気づける――教育現場でのテクノロジー活用

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この記事の著者

岡田 果子(編集部)(オカダカコ)

2017年7月よりEdTechZine編集部所属。慶応義塾大学文学部英米文学専攻卒。前職は書籍編集で、趣味・実用書を中心にスポーツや医療関連の書籍を多く担当した。最近は英語学習のアプリやオンライン講座に興味がある。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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