※このページの最後では、悩みや困りごとなどを抱える人のための相談窓口を紹介しています。(編集部)

「死にたい」と自分からは打ち明けられない子どもたち
──警察庁・厚生労働省が1月に公表した「自殺統計(暫定値)」によると、小中高生の自殺者数は前年から14人増え、527人と過去最多となりました。追い詰められている子どもたちがたくさんいる中、学校はどのような取り組みをすればよいのでしょうか。
自殺に追い込まれている子どもたちが、自分から「死にたい」と打ち明けることは多くありません。すでに多くの先生が取り組まれていると思いますが、子どもたちの「行動の変化」に気づき、声をかけて受け止めていく、そうした地道な大人の行動がとても重要です。例えば遅刻が増えたり、急に成績が落ちたりすることにいち早く気づき、「気にかけているよ」というメッセージを送り続ける必要があります。
──新学期には人間関係が大きく変化するため、新しい環境に馴染むことができず悩む子どもたちも多くいると思います。担任が変わることにより先生との関係性も希薄になりがちです。先生が子どもの変化に気づきにくい時期と言えますが、特に注意すべきことは何でしょうか。
これは大人も子どもも同じですが、「変化すること」自体が脳へ大きなストレスを与えます。新しい環境へ適応するためのパワーが必要となるためで、なかなか馴染むことができないと気持ちが落ち込んでしまいがちです。
ですから新学期のように、環境が大きく変化する時期は通常よりも「子どもたちにストレスがかかる」ということを周囲の大人は認識する必要があります。学校に馴染めない子どもがいることを前提に通常よりも見守りを強化し、気になる子どもがいれば先生同士での情報共有をより密にしていくべきでしょう。悩んでいる子どもへの接し方について話し合う場を設けるのもよいと思います。気づきの能力を高めるための取り組みが重要です。
悩みや困りごとなどの相談窓口
自ら命を絶つことを考えるような深刻な悩みを持つ人に対して、また、子どもの自殺の問題に悩んでいる人に対して、どんな小さなことでもすぐに相談できる窓口が用意されています。以下の相談先などを通じて、専門の相談員が悩みを受け止め、サポートします。
- まもろうよこころ:悩みがある人、困っている人に対する電話やSNSの相談窓口を総合的に紹介しているサイトです。
- 24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310):18歳までの子どもがかける電話で、悩みの内容などに合わせて相談できる窓口を紹介します。
- #いのちSOS(0120-061-338):「死にたい」「消えたい」「生きることに疲れた」などの気持ちを専門の相談員が受け止め、状況を整理し、必要な支援策などについて一緒に考えます。24時間365日対応。
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