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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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キーパーソンインタビュー

子どもの自殺者数は過去最多に──学校・先生ができること、社会全体で向き合うべきこと

特定非営利活動法人OVA 代表理事 伊藤次郎氏インタビュー

 1月29日に公表された、警察庁・厚生労働省の自殺統計(暫定値)によると、2024年の児童生徒の自殺者数は527人と過去最多となった。これを受けて、文部科学省は2月10日と28日に「児童生徒の自殺予防に係る取組」に関する通知を発出し、新学期に向けてより丁寧な対応を学校に求めた。一方、こども家庭庁も「こどもの自殺に関する意識調査」を実施し、2月28日に結果を発表している。学校現場は「子どもの自殺」という問題へどのように向き合えばよいのか。また、その学校を支えるため、社会全体で何ができるのか。こども家庭庁の調査も監修した、NPO法人OVAの代表理事で精神保健福祉士の伊藤次郎氏に話を伺った。

※このページの最後では、悩みや困りごとなどを抱える人のための相談窓口を紹介しています。(編集部)

特定非営利活動法人OVA 代表理事/ソーシャルワーカー(精神保健福祉士)伊藤次郎氏
特定非営利活動法人OVA 代表理事/ソーシャルワーカー(精神保健福祉士)伊藤次郎氏

「死にたい」と自分からは打ち明けられない子どもたち

──警察庁・厚生労働省が1月に公表した「自殺統計(暫定値)」によると、小中高生の自殺者数は前年から14人増え、527人と過去最多となりました。追い詰められている子どもたちがたくさんいる中、学校はどのような取り組みをすればよいのでしょうか。

 自殺に追い込まれている子どもたちが、自分から「死にたい」と打ち明けることは多くありません。すでに多くの先生が取り組まれていると思いますが、子どもたちの「行動の変化」に気づき、声をかけて受け止めていく、そうした地道な大人の行動がとても重要です。例えば遅刻が増えたり、急に成績が落ちたりすることにいち早く気づき、「気にかけているよ」というメッセージを送り続ける必要があります。

──新学期には人間関係が大きく変化するため、新しい環境に馴染むことができず悩む子どもたちも多くいると思います。担任が変わることにより先生との関係性も希薄になりがちです。先生が子どもの変化に気づきにくい時期と言えますが、特に注意すべきことは何でしょうか。

 これは大人も子どもも同じですが、「変化すること」自体が脳へ大きなストレスを与えます。新しい環境へ適応するためのパワーが必要となるためで、なかなか馴染むことができないと気持ちが落ち込んでしまいがちです。

 ですから新学期のように、環境が大きく変化する時期は通常よりも「子どもたちにストレスがかかる」ということを周囲の大人は認識する必要があります。学校に馴染めない子どもがいることを前提に通常よりも見守りを強化し、気になる子どもがいれば先生同士での情報共有をより密にしていくべきでしょう。悩んでいる子どもへの接し方について話し合う場を設けるのもよいと思います。気づきの能力を高めるための取り組みが重要です。

悩みや困りごとなどの相談窓口

 自ら命を絶つことを考えるような深刻な悩みを持つ人に対して、また、子どもの自殺の問題に悩んでいる人に対して、どんな小さなことでもすぐに相談できる窓口が用意されています。以下の相談先などを通じて、専門の相談員が悩みを受け止め、サポートします。

  • まもろうよこころ:悩みがある人、困っている人に対する電話やSNSの相談窓口を総合的に紹介しているサイトです。
  • 24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310):18歳までの子どもがかける電話で、悩みの内容などに合わせて相談できる窓口を紹介します。
  • #いのちSOS(0120-061-338):「死にたい」「消えたい」「生きることに疲れた」などの気持ちを専門の相談員が受け止め、状況を整理し、必要な支援策などについて一緒に考えます。24時間365日対応。

※インタビューは次のページに続きます。(編集部)

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1人1台端末は子どもたちの変化をキャッチするために有効

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この記事の著者

森山 咲(編集部)(モリヤマ サキ)

EdTechZine編集長。好きな言葉は「愚公移山」。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


丸毛 透(マルモ トオル)

インタビュー(人物)、ポートレート、商品撮影、料理写真をWeb雑誌中心に活動。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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