関西大学は、2020年度春学期に行った遠隔授業についての、教員・職員・学生の3つの立場からの総括を、9月8日に発表した。
関西大学では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のために、4月20日から対面授業に代わって遠隔授業を本格的に開始している。
遠隔授業に必要なシステムや学習環境の整備、および教育の質保証を目的とした教員対象のFD研修・相談会も、4月1日~7月3日の期間に全21回にわたって実施しており、のべ764名の教員が利用した。
同大学における遠隔授業では、学習支援システム「関大LMS(Learning Management System)」をベースに、約半数の割合でZoomなどを活用したリアルタイム遠隔授業を実施している。その他の半数は、講義動画等の視聴によって学ぶオンデマンド配信授業や、教材配付型授業などを組み合わせて実施した。
遠隔授業に対しては、学生から以下のような意見が寄せられている。
- 自分の好きなタイミングで受講できる点はよかった
- 移動時間がないので、空いた時間を有効活用できた
- 授業と就職活動の両立がしやすかった
- 同じ講義を繰り返し聞ける点が深い学びにつながる
- 対面授業と比べ、課題の量が膨大である
- 講義資料の印刷などの負担が大きい
- ネットワーク環境が不安定
- コロナが終息しても、対面とオンラインを融合すべき
また、教員からは以下のような意見が寄せられた。
- Zoomのブレイクアウトルームを活用することで、対面に劣らない有意義なグループワークや議論を実施することができた
- リアルタイム講義では、学生の緊張感とモチベーションを高く維持できる
- Zoomの投票とチャット機能を使うことで、学生の理解傾向の把握がしやすく、従来よりも積極的な授業参加の形も見えてきた
- 遠隔授業の経験やノウハウを共有し、普段あまり機会のない他学部の先生との議論の場があったことで、自身の貴重な学びにもなった
- 自身の講義を客観的にみることで授業の質向上に生かせられる
そのほか、同大学では授業支援SA(アルバイト学生)が中心となって対応するオンライン形式の学生相談「なんでもオンライン相談」が、6月8日~7月22日の期間に実施されている。「なんでもオンライン相談」では、新入生からの勉強や友達づくりなどに関する悩み相談が多く、先輩学生たちが親身に対応した。
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