小学生が夢中になるプログラミング教育とは?
CA Tech Kidsは、2013年より直営のプログラミング教室「Tech Kids School」と、さらに子会社として2019年より北海道から九州まで日本全国に1800もの「QUREOプログラミング教室」を運営しており、民間の子ども向けプログラミング事業者としては国内最大規模の企業だ。
さらに本社のある渋谷区で、2016年から区立小学校におけるICT教育の実証実験にも携わるなど、学校現場でのプログラミング教育支援も行ってきた。2019年には同社のほか、渋谷区に本社を持つ東急、ディー・エヌ・エー、ミクシィ、GMOインターネットと渋谷区教育委員会によるプログラミング教育支援「Kids VALLEY 未来の学びプロジェクト」がスタートし、同年の夏休みには渋谷区の小中学生に向けたワークショップを開催した。
本年度は対象を全国の小中学生に広げ、「Kids VALLEY 未来の学びプロジェクト presents プログラミングサマーキャンプ2020」として、オフラインとオンラインの併催でワークショップを行った。今回の教育関係者向けオンラインセミナーもその活動のひとつとしてCA Tech Kidsが実施した。
セミナーではCA Tech Kidsの代表取締役社長である上野朝大氏が登壇し、同社が提案する小学校におけるプログラミング教育の取り組みを具体的に解説した。
上野氏は、子どもたちに向けたプログラミング教育において重要な「3つのステップ」を紹介した。その3つとは、「楽しい」「もっとやりたい」「極めたい」である。
「まずはプログラミングの楽しさを知る。その楽しさを通じて、もっとやりたいと感じたら継続的な学習機会をしっかり提供する。最終的には極めたい、プロになりたいという子どもたちに対して、『出る杭』を伸ばす機会をあたえている」と上野氏。CA Tech Kidsでは、小学生専用のプログラミングコンテスト「Tech Kids Grand Prix」を毎年開催しており、プログラミングの楽しさを知り、出る杭を伸ばしてきた小学生が大人顔負けの作品を発表している。
小学校では2段階に分けて段階的に取り組むこと
では、具体的にはどのように取り組んでいくのか。上野氏は「2段階に分けて、段階的に取り組むのが望ましい」と話す。先ほど挙げた3つのステップは、民間教育と公教育で取り組み方が異なってくる。今回は学校などの公共の場での取り組みとして、授業支援について詳しく解説した。
「小学校中学年は『基礎』として『プログラミングそのものを学ぶ学習』、高学年はその『応用』で『プログラミングで教科の学びを深めていく』」と上野氏。しかし「現場の先生はプログラミング教育で試行錯誤しており、体育や音楽、家庭科などでも苦心してトライされているが、各教科の中で取り組むのは実はハードルが高い」と言う。そこで、教科で取り組む前の段階として、プログラミングそのものを学ぶ時間をとって、先生も子どもたちも慣れていくようにするというわけだ。