2019年は1422件が参加
「Tech Kids Grand Prix」は、2018年から始まった小学生を対象にしたプログラミングのコンテストで、プログラミング言語の制限はない。2回目にあたる2019年は全国から1422件もの応募があり、その中から一次~三次審査を勝ち抜いたファイナリスト10人が、9月23日の決勝プレゼンテーションに挑んだ。
![3回の審査を経て、優勝や準優勝、協賛企業賞などの賞を決定する。単なる技術を問うのではなく、自分が考えた世界観やアイデアと、それらを実現させるクリエイティブな作品づくり、さらには他者へ発信するプレゼンテーション力などが評価の基準となる。](http://et-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/2885/2885_001.jpg)
![3回の審査を経て、優勝や準優勝、協賛企業賞などの賞を決定する。単なる技術を問うのではなく、自分が考えた世界観やアイデアと、それらを実現させるクリエイティブな作品づくり、さらには他者へ発信するプレゼンテーション力などが評価の基準となる。](http://et-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/2885/2885_023.jpg)
当日は、会場である渋谷区の長谷部健区長、前IT・科学技術担当大臣の平井卓也衆議院議員、前文部科学大臣の柴山昌彦衆議院議員が登壇し、今回のコンテストへの期待や、参加した子どもたちに向けての応援メッセージを語った。
![コンテスト冒頭に登壇した長谷部渋谷区長。渋谷区と渋谷区教育委員会は、「Tech Kids Grand Prix」の後援を行っている。](http://et-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/2885/2885_002.jpg)
![自らもPythonを学んでいるという平井氏は、「若い世代の潜在能力はすばらしい」と話した。](http://et-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/2885/2885_003.jpg)
![柴山氏は「日本の未来を変えていくという期待で応援したい」とエールを送った。](http://et-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/2885/2885_004.jpg)
会場をうならせた小学生たちのプレゼンテーション
次に、ファイナリストの小学生によるプレゼンテーションが行われた。決勝に進んだ10人と作品を発表順に紹介していく。
池田應治郎さん(東京都/5年生)「隠れ鬼」
![池田應治郎さんが作った「隠れ鬼」](http://et-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/2885/2885_005.jpg)
![池田應治郎さんが作った「隠れ鬼」](http://et-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/2885/2885_024.jpg)
トップバッターで堂々と発表をしてくれた池田さんは、「学校での鬼ごっこが、けが人が出たため禁止になってしまった」という動機から、友だちや家族みんなと鬼ごっこが遊べるゲームを作り上げた。最大20人でオンライン対戦ができ、複数の部屋を用意するなど、楽しめる工夫が凝らされている。
澁谷知希さん(埼玉県/6年生)「Famik」
![澁谷知希さんが作った「Famik」](http://et-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/2885/2885_006.jpg)
![澁谷知希さんが作った「Famik」](http://et-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/2885/2885_025.jpg)
病院で子どもを抱えて大変そうに問診票を記入しているお母さんを見かけたことがきっかけで作ったという、家族の健康状況を記録できる実用的なアプリ。「病院に導入して遠隔治療に役立てたり、文字をアイコン化したりして、他の国でも活用してほしい」と、今後の展開も考えている点もすばらしい。
宮城采生さん(京都府/6年生)「マスメロ」
![宮城采生さんが作った「マスメロ」](http://et-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/2885/2885_007.jpg)
![宮城采生さんが作った「マスメロ」](http://et-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/2885/2885_026.jpg)
2018年度にゲーム「オシマル」で総合優勝した宮城さんは、数字をキャラクターに見立てて、足し算や引き算で指定の数字を目指すゲームを作り上げた。受験生という時間のない中で見事作品を完成させ、終始落ち着いた態度で大人顔負けの開発内容と知識を披露した。その姿はもはや一人のエンジニアの風格で、会場を圧倒していた。
森谷頼安さん(東京都/5年生)「DRONE SIMULATOR 3D」
![森谷頼安さんが作った「DRONE SIMULATOR 3D」](http://et-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/2885/2885_008.jpg)
![森谷頼安さんが作った「DRONE SIMULATOR 3D」](http://et-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/2885/2885_027.jpg)
「ドローンをなくしてしまった」という経験をもとに、ドローンのシミュレーターを完成させた森谷さん。これまでに800以上のプログラミング作品を作ってきたというだけあり、「プログラミングで難しい場面になっても、楽しいので怒るより笑ってしまう。すぐに直せるバグは楽しいから、もっとバグに会いたい」という名文句を発し、会場は笑いに包まれた。
井上将煌さん(東京都/6年生)「TILES」
![井上将煌さんが作った「TILES」](http://et-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/2885/2885_009.jpg)
![井上将煌さんが作った「TILES」](http://et-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/2885/2885_028.jpg)
アジアのプログラミング大会「AppJamming Summit 2019」で日本代表として、小学生部門で優勝したヤングプログラマー。社会で習った「村の発展の様子」をヒントに、まちづくりゲームを制作した。CPUとの対戦モードや、絵を差し替えることで友だちにも楽しんでもらえる要素などを盛り込んだ、完成度の高いゲームになっている。