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新しい働き方、学び方の実現には何が必要か? Slackを活用した近畿大学、ユーザベースの事例

Slack Workstyle Innovation Day Online「リモートワーク ニューノーマル時代の多様な働き方、学び方をリードする組織とは」レポート

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2020/07/17 06:00

 テクノロジーの進化や価値観の多様化に加え、新型コロナウイルスの影響が続く現在、「新しい働き方」への模索が続いている。解決策の1つとしてリモートワークへの関心が高まる中、コミュニケーションツールの新たなスタンダードとなりつつあるのが「Slack」だ。6月24日、「新しい働き方へ、シフトしよう」をメッセージとして掲げ、そのヒントを探るSlack主催のオンラインカンファレンス「Slack Workstyle Innovation Day Online」が開催された。事例セッションの1つでは、「Slack」を活用したリモートワークや時短勤務、遠隔授業などの多様な働き方、学び方を実践する近畿大学、ユーザベースのキーパーソンがそれぞれの取り組みを紹介した。

セッションに登壇した 学校法人近畿大学 経営戦略本部長 世耕石弘氏と、株式会社ユーザベース 代表取締役COO 稲垣裕介氏、モデレーターのSlack Japan株式会社 生垣侑依氏
セッションに登壇した 学校法人近畿大学 経営戦略本部長 世耕石弘氏と、
株式会社ユーザベース 代表取締役COO 稲垣裕介氏、モデレーターのSlack Japan株式会社 生垣侑依氏

Slack活用による迅速な意思決定でメディアにも露出

 「近大マグロ」や華やかな入学式などで注目を集める近畿大学。学生とのコミュニケーションや教職員の業務などにも積極的にデジタルツールを導入し、革新的な大学としてのイメージを確立しつつある。その仕掛け人とも言えるのが、同大学で経営戦略本部長を務める世耕石弘氏だ。もともとは近畿日本鉄道にて広報を担当し、2007年より近畿大学で入試広報や法人向け広報などを担当してきた。近年は広報部を含めた経営戦略本部の部長となり、経営企画立案にも参画する。

 学校法人としての近畿大学は幼稚園から含めると5万2000人の園児・児童・生徒・学生を擁し、大学生だけでも約3万2000人にも上る。教職員も9700人を超え、九州から大阪まで6つのキャンパスを持つ。附属病院や水産研究所といった施設も合わせると、足並みをそろえて新しい施策を導入するのは難しく、よりスムーズな連携の必要性があった。

 さらに経営にも大きく影響することから、大学として他大学と差別化し、的確なブランディングを行うことが求められていた。そこで広報的な観点も含め、デジタルツールの積極的な導入を図ることで、「革新的で新しいもの好きな大学」としてのイメージを目指している。たとえば、インターネットによる出願受付やAmazonでの教科書販売、授業への出席をICカードで取得し保護者と共有する仕組みの導入、学生証へのプリペイド機能の搭載、卒業証明書のコンビニ発行、カフェテリアでのアプリ注文とキャッシュレス決済など、施策を数えれば枚挙にいとまがない。

 こうした取り組みの結果、高校の先生を対象としたアンケート調査において、「改革力の高い大学」「チャレンジ精神がある大学」の項目では1位となるなど、目指すイメージを確立しつつある。「実はSlackを導入したのも、最も先進的かつメジャーなサービスだったから」と世耕氏は明かす。

 教職員へSlackを導入した2018年当初は、慣れ親しんだ環境を変えることへの不満が現場から出ることもあったという。しかし、半年後には全員にとって自分の業務の中で、なくてはならないツールに変わっていった。特に今年は新型コロナウイルスの影響でキャンパスを閉鎖する異例の事態に際し、Slackのチャンネルに理事長から「オンライン授業の必須対応」についてコメントが入り、それに対して学長から「対応する」という返答があったことで、一気に方向性が決まったという。

 また、卒業・入学式についても、ほぼSlack内で完結した理事長、学長とのやり取りの上で、どこよりも早くオンライン対応を決定し、メディアにも取り上げられた。ここでもまた、結果として新しいものに取り組むブランドイメージが高まったというわけだ。


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著者プロフィール

  • 伊藤 真美(イトウ マミ)

    エディター&ライター。児童書、雑誌や書籍、企業出版物、PRやプロモーションツールの制作などを経て独立。ライティング、コンテンツディレクションの他、広報PR・マーケティングのプランニングも行なう。

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