教員自身がプログラミングを取り入れた授業を体験
「プログル」の模擬授業は、みんなのコードの指導者養成主任講師で、公立小学校の元教員でもある竹谷正明氏が実施した。
この模擬授業では教員自らが児童の立場になって体験することで、実際に授業を行う際のイメージをつかむことができる。参加者の中には、プログラミング教育およびその教材を使った授業の経験がなく、新学習指導要領での授業展開について模索中の教員も多くいた。
新学習指導要領では、正多角形の作図を通してアルゴリズムの概念やプログラミングに触れる学習活動が例示されており、今回はそれに対応した授業として実施された。
プログルは、スクラッチのようにブロックアイコンを組み合わせ、アルゴリズムを記述するプログラミング学習教材だ。画面上のロボットを命令によって動かし、その軌跡で図形を描くことができる。
これを利用し、正三角形や正方形をプログルの命令で描かせ、図形ごとに角の数、角度、直線を引く回数などを表にまとめていく。この表によって正n角形の角度や線の本数(=描画を繰り返す回数)の関係を気付かせるのがねらいだ。
これまでの授業であれば黒板やノートに図形を描かせて規則性を学んでいたが、今回の模擬授業では図形の描画にプログラミング学習教材を利用。併せて、プログラミングの考え方や規則性の気付きを与えるための「伏線」の入れ方も指導された。例えば、n角形のnが増えると繰り返しが大変だが、プログラミング学習教材の繰り返しブロック(ループ機能)を使えば簡単になることや、曲がる角度を考える際、内角(正三角形なら60度)ではなく180度と内角の差にする必要があることなどが説明された。