ベネッセコーポレーションは、早稲田大学大学院の田中博之教授監修のもと、埼玉県戸田市、愛媛県西条市、東京都文京区、東京都豊島区の教育委員会と連携して実施した、児童・生徒の資質・能力を育むための「主体的・対話的な深い学び」(アクティブラーニング)を取り入れた指導モデルを検証する実証研究の結果を、6月6日に発表した。
同実証研究は、学校での一斉・協働・個別それぞれの学習場面に対応した、同社のタブレット学習ソフト「ミライシード」と、ICTサポータによる支援を組み合わせて、小中学校8校の児童・生徒734名(小学5年生292名、中学2年生442名)を対象に、2018年(平成30年)6月~2019年3月の期間に実施されている。
具体的には、アクティブラーニング研究の第一人者である田中教授監修のもと、アクティブラーニングにおける効果的な指導モデル「R-PDCA指導サイクル」の検討と、その効果の可視化に取り組んだ。
「R-PDCA指導サイクル」は、ICTを用いたアクティブラーニング実践前に、「ミライシード」に収録する効果検証機能「Evit(エビット)」でアクティブラーニングの行動調査を行うことが特長で、教員が自身のアクティブラーニング授業の実践状況や、児童・生徒の状況をアンケートで把握し、その結果データをもとに今後実践する授業目標を設定することで、特に育みたい児童・生徒の資質・能力を特定する。
調査対象である8校の児童・生徒に対して、事前(6月頃)・中間(11月頃)・事後(2月頃)に、アクティブラーニング行動調査を実施したところ、ICTの「高活用クラス」の方が「低活用クラス」よりも事前・事後のアクティブラーニングに関する各項目の肯定回答率の伸びが大きかった。
さらに、教員が「思考が深まるような発問をしている」ことが、アクティブラーニングに関する児童の意識変容に、もっとも相関があることが明らかになっている。また、ICT高活用クラスほど「思考が深まる発問」によるアクティブラーニングへの意識変容度が大きいことがわかった。
- 関連リンク
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア