小学生のスマートフォン利用が急伸
まずスマートフォンの利用状況だが、10歳から18歳の未成年の80.3%がスマートフォンを利用している。これは昨年の数値より9.7ポイント上昇しており、調査開始(2011年11月)依頼、増え続けている。なお、スマートフォン所有者のうち、格安スマホ(3キャリア以外のSIM)の割合は13.5%だった。
これを小学生全体でみてみると利用率は60.2%(前回比+22.3ポイント:以下同)。格安スマ-とフォンの割合は21.0%と全体より小学生の格安スマホの利用が目立つ結果となった。また、2013年から前回(2016年1月)までの調査では、小学生のスマートフォン利用率は30~40%を上下していたが、この1年で60%まで上昇した。
この理由について、デジタルアーツ 広報課 吉田明子氏によれば、格安スマホの影響で(料金的に)小学生にも端末を持たせやすくなったことが、全体の底上げにつながったのではないかとのことだ。
利用率上昇の傾向は中学生にもみられ、中学生全体では82.0%がスマートフォンを利用している。伸び率では、男子中学生が81.6%、前回比10.7ポイント増と、女子の同前82.5%、1.0ポイントと、スマートフォン男子が伸びた。高校生になると2014年6月の調査以来90%を超え今回は98.5%とほぼ飽和状態になってきた。女子高校生に限ってみれば100%の利用率となった。
フィルタリングの利用率は約50%
フィルタリングの状況は、子ども全体で53.9%(+1.6ポイント)とほぼ半数が利用している。しかし、スマートフォンの利用率が急上昇したにもかかわらず、小学生全体のフィルタリング利用は51.0%(0ポイント)と増えていない。中学生、高校生ともにフィルタリングの設定は50%前後を維持しており、傾向としては微増だが設定率は上がっている(男子中学生のみー2.6ポイント)。
購入時にフィルタリングの設定説明を受けたか、という質問項目では全体の49%(+1.9ポイント)が受けたと回答し、残りは受けていない(18.8%)、覚えていない(32.2%)という回答だった。説明を受けた割合は、前回調査より増えたものの、未成年者へのフィルタリング設定の説明は総務省、業界ガイドラインで決められたことのはずだが、およそ半数がフィルタリングの説明を受けた意識がないという問題が浮かび上がった。
中高生になると、フィルタリングによるオーバーブロックが問題になることもあるが、小学生についてはフィルタリングの効果が期待できる。機能によっては利用時間を制限したり、有害サイトだけでなくアプリの制限も可能なので、成長にあわせた段階的な設定の説明と実施が望まれる。