博報堂教育財団は、同法人の調査研究機関であるこども研究所が、全国の小学4年生〜中学3年生を対象に実施した、「子どもと生成AI」に関する調査の結果を9月18日に発表した。同調査は8月8日に行われ、1200名から有効回答を得ている。
調査対象者に、生成AIのことをどれくらい知っているかを尋ねたところ、「知っていて、どんなことができるかわかる」と「知っていたが、どんなことができるかわからない」を合わせた割合は約8割を占めた。認知率は、小学生よりも中学生の方が高い。
生成AI使用経験の有無を尋ねた質問では、「よく使っている」「たまに使っている」「使ったことはあるが、今は使っていない」を合わせた割合は約4割となった。使用経験についても中学生が小学生を上回り、中学生の使用経験者は半数近くに達している。
今後の生成AIの利用意向を尋ねたところ、「使うと思う」と「たぶん使うと思う」を合わせた割合は6割超となった。利用意向は、小学生が中学生をわずかに上回っている。

生成AIの認知者(952名)に対して、生成AIの使用により自身はどうなりそうだと思うかを尋ねた質問では、「すきなことや興味のあることにくわしくなりそう」(68.0%)、「新しいことを体験できそう」(63.2%)、「デジタルやコンピューターにくわしくなりそう」(60.6%)がいずれも6割超で上位を占めた。
さらに「工作やイラストなど、創作活動でよりよいものが作れそう」(58.9%)、「宿題がらくになりそう」(54.8%)が続く一方で、「自分で考えなくなりそう」と回答した人も4割程度存在している。

同じく生成AIの認知者(952名)に生成AIに対する考えを尋ねたところ、「楽しい」が80.1%、「味方」が73.2%となった。しかしながら、「優しい」「安心な」「信用できる」といった項目は、いずれも半数を下回っている。

生成AIがあることで勉強の仕方はどうなると思うかを尋ねた質問では、生成AIの認知者(952名)全体では、「かわると思う」という回答が55.7%を占めた。

生成AIの使用経験者(472名)に使用目的を尋ねたところ(複数回答)、「わからないことを調べる」が7割でもっとも多い。小学生と中学生で大きな差はないものの、中学生では「文章を作ってもらう」「文章のアイデアを出す」といった、文章生成での使用が小学生よりも5ポイント以上上回っている。

生成AIの使用経験者(472名)の使用目的を男女別でみると、男女ともに「わからないことを調べる」が最多となった。女子では「会話や雑談をする」(26.6%)や「悩みごとや将来の相談をする」(17.6%)といったトーク・チャット目的、「絵やイラストを描く」(22.7%)といった創作目的での使用を挙げる回答が男子よりも多かった。

生成AIを使うときに気を付けることとして、知っている項目を尋ねた質問(複数回答)では、生成AIの認知者(952名)では「名前や住所を入力しないようにする」(35.8%)がもっとも多かった。なお、生成AIの使用経験者(472名)に限定しても、すべての項目が半数に届いていない。

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