オンワードコーポレートデザインは、横浜創学館高等学校(以下、横浜創学館)の食堂をデザインし、リニューアルしたことを8月29日に発表した。食堂は、新学期を迎える9月1日のお昼休みにオープンした。

少子化が進む中、2026年4月からは国の高等学校等就学支援金制度が拡大され、年間所得に関係なく私立高校の全国平均授業料相当の45万7000円が支給される方針で検討が進んでいる。そうした中、今後はますます生徒募集競争の激化が予想され、各学校は魅力ある学校づくりを推進している。
今回、横浜創学館では、魅力ある学校づくりの一環として、食堂空間をリニューアルした。ただ食事をするだけでなく、新たな学校の「顔」として親しまれる施設を目指し、生徒会と同社が共同で企画した。
コンセプト:Voyage(航海)
平潟湾ヨットハーバーに近く、海のそばの横浜創学館で学ぶ3年間を「船旅」と重ね合わせ、食堂の改装コンセプトを「Voyage(航海)」とした。横浜創学館という同じ船に乗り込んだ生徒たちが集い、語らい、学び合うシンボル施設である。
食堂としてだけでなく、休憩場所や自習室、カフェとしても利用できる空間デザインを施した。生徒たちにとって、教師や友人との関係性を深め、学ぶ場であって欲しいという想いが込められている。
施設名:夕照キャビン
横浜創学館に馴染みのある夕照橋と航海から想起した「キャビン(船室)」が由来。生徒会との議論ではほかに「もぐもぐ食堂」や「ビストロ」という案があったが、呼びやすさやオリジナリティを考慮して最終的には満場一致で決定した。

デザインのポイントは次のとおり。
「CENTER DECK(甲板)」
船の甲板から着想したステージを中央に設けた。天井が高く開放感のある空間にメリハリをつけ、生徒が自然に集まりコミュニケーションが生まれることを期待している。360度見渡せることが特徴で、お昼休みや放課後だけでなくイベント時のステージとしても活用できる。
羅針盤をイメージした大型のシンボル照明
横浜創学館で過ごす3年間が人生の羅針盤となることを表現するシンボルとして、中央に大型照明を配置した。

みんなでつくる「ポストイットアート」
体育祭や文化祭などを彩る参加型のポストイットアートを、食堂の一画に配置した。シーズンやイベントにあわせて自由にデザインを変更することができ、生徒一人ひとりが記入したポストイットを貼ることでアートが完成する。


錨をモチーフにしたオリジナルの施設ロゴ
錨のデザインと「創学館」のSとGを組み合わせたオリジナルロゴをデザインした。生徒会との議論では、船窓から見える景色や航路を示した地図のデザインなど全部で5案の候補があったが、議論の末、決定した。
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