博報堂教育財団の調査研究機関であるこども研究所は、全国の小学4年生〜中学3年生を対象に実施した、「学校」に関する調査結果を9月2日に発表した。同調査は7月13日に行われ、1200名から有効回答を得ている。
調査対象者に、いま通っている学校が好きかを尋ねたところ、「大好き」(12.0%)、「好き」(40.2%)、「やや好き」(26.2%)を合わせた割合は約8割を占めた。「大好き」「好き」「やや好き」の合計を小学生/中学生別でみると、小学生が83.3%だったのに対して中学生は73.8%となり、10ポイント近く減少している。

いまの学校やクラス、学校での生活についての気持ちについての回答を、学校が「好き」か「きらい」かの回答別で比較すると、「好き」と「きらい」の差は「クラスは仲がいい」では64.2ポイント、「学校行事は楽しい」では62.0ポイントととりわけ差が大きかった。
「授業が楽しい」「担任の先生が好きだ」「仲のいい先輩・後輩がいる」「友だち付き合いはつかれる」でも40ポイント程度の差がみられた。一方で、授業の難易度や校舎/設備への意識には差がない。

学校がある日の朝に、学校へ行きたくないと思うことがあるかを尋ねたところ、「よくある」(10.4%)と「ときどきある」(34.9%)を合わせた割合は45.3%を占めた。小学生/中学生別でみると、行きたくないと思うことが「ある」という回答は、中学生が小学生を9ポイント上回っている。

学校へ行きたくないと思うことが「よくある」または「ときどきある」と答えた人に、どんな日に学校へ行きたくないと思うかを尋ねた質問(複数回答)では、「月曜日」(26.8%)がもっとも多かった。さらに一部の子どもにとっては、「学校へ行きたくない」気持ちが日常的なものであることがわかった。

学校についての気持ちを、対立する項目AとBからそれぞれ選んでもらったところ、「A:みんなで力を合わせるところ」(57.5%)、「A:行くのが楽しみなところ」(47.4%)、「A:安心できるところ」(44.2%)といった学校に対する前向きな気持ちを示す項目が、対立する項目を10ポイント以上上回っている。
一方で、「B:絶対に行かないといけないところ」(44.1%)、「B:やりたくないことをやらされるところ」(43.6%)も、対立する項目を10ポイント以上上回り、「A:のびのびできるところ」(40.3%)と「B:きゅうくつなところ」(37.1%)は拮抗するなど、学校に対する気持ちの複雑さが垣間見える。

学校についての意見を、対立する項目AとBからそれぞれ選んでもらった質問では、「A:ほめてくれる先生がいい」(78.5%)が圧倒的多数となった。
学校行事については「A:修学旅行はあったほうがいい」(79.7%)、「A:運動会/体育祭はあったほうがいい」(66.3%)が多数となり、学校における集団での活動は「A:学校に行って授業を受けたい」(58.2%)、「A:まとまりがあるクラスがいい」(57.6%)が多数となり、これらの活動を前向きに受け止めている子どもが多い。
一方で、勉強に関しては「みんなと同じ」を、「B:自分の好きなことを勉強したい」(47.4%)や「B:自分の好きなペースで勉強したい」(53.5%)が上回った。

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