ベネッセコーポレーションの社内シンクタンクであるベネッセ教育総合研究所は、東京大学社会科学研究所と共同で実施した「子どもの生活と学びに関する親子調査」のうち、子どもの「なりたい職業」に関する結果を6月11日に発表した。
同調査は、両者が「子どもの生活と学び」の実態を明らかにすべく、2014年に立ち上げた共同研究プロジェクトの一環となる。2015年以降、同一の親子（子どもは小学1年生から高校3年生で、小学1～3年生は保護者のみが回答）約2万組を対象とし、各年7～9月に継続して実施している。
調査ではまず、｢あなたには、将来なりたい職業（やりたい仕事）はありますか」と質問。「ある」と回答した対象者（小学4～6年生1872名、中学生1403名、高校生1100名）に対し、なりたい職業を自由記述で回答してもらった。
2024年の調査結果における、小学4〜6年生の「なりたい職業」人気No.1は「プロスポーツ選手」となり、以下「店員（花屋・パン屋など）」「教員」が続いている。また、中学生では「教員」と「プロスポーツ選手」が同率1位、高校生では「教員」が1位となった。
男女による違いをみると、小学4〜6年生の男子では「プロスポーツ選手」（25％）が他を大きく引き離して1位となり、以下「YouTuber・VTuber」「研究者・大学教員」が続いている。一方、小学4〜6年生の女子では「店員（花屋・パン屋など）」「看護師」「パティシエ」「保育士・幼稚園教員」が上位を占めた。
中学生男子では「プロスポーツ選手」が1位となり、「教員」「医師」「ゲームクリエイター」がそれに続いている。中学生女子では「教員」が1位となり、以下「看護師」「保育士・幼稚園教員」「医師」が続く。
高校生では、男女ともに「教員」が1位になったが、2位以下は男子が「SE・プログラマー」「医師」、女子が「看護師」「保育士・幼稚園教員」となった。
2015年と2024年の調査結果を比較すると、小学生では「YouTuber・VTuber」がランク外から4位に、高校生では「SE・プログラマー」が13位から6位にランクアップしており、IT関連職への注目の高まりがうかがえる。一方で、「プロスポーツ選手」は小学生から中学生の男子にとって、安定して高い人気を保っている。また、中高生では特に「教員」の人気が高く、この10年間変わらず1位を守り続け、2024年も中学生女子および高校生男女で1位となった（中学生男子では2位）。
この記事は参考になりましたか？
この記事をシェア